中部高原地帯テーグエン地方のモノン族

モノン族はバナ族、エデ族などとともに長年にわたり中部高原地帯テーグエン地方で共存しています。モノン族は東南アジアのモン・クメール語系に属し、豊な文化を保っています。では、モノン族とはどんな民族でしょうか?

中部高原地帯テーグエン地方のモノン族 - ảnh 1
写真: dantocviet.vn

モノン族は中部高原地帯各省に点在する少数民族であり、人口はおよそ10万3千人です。モノン族は何種類のグループに分かれていて、いくつかの地方に住んでいますが、ダクラク省とダクノン省に多く集っています。ダクラク省、民族博物館のルオン・タイン・ソン館長は次のように語りました。

(テープ)

「ダクラク省で、モノン族はブオンドン、ラク、クロンボンといった3つの県に集中しています。モノン ブダン(M’Nong Budang)グループはブオンドン県、モノンクエン(M’Nong Kuenh)グループはクロンボン県、そして、モノンプラン(M’Nong Prang)とモノンガル(Mo’Nong Gar)グループはラク県に住んでいますが、他のグループはダクミ県やダクノン省のいくつかの村に居住しています。」

モノン族はボン(Bon)つまり集落ごとにかたまっています。それぞれのボンには何戸もの家庭が居住し、親しい関係で結ばれ、母系社会の名残が残っています。モノン族の住居は普通の住宅や高床式の住居です。屋根は藁葺きで、メニスカス形です。また、高床式の住居は低く、材木でできています。さらに、モノン族の住居は平地で、川や湖の近くに建てられます。モノン族の生活は自然とよく調和し、森林と親しく結び付いています。「森林はモノン族を保護する屋根であり、神が宿る所でもある」と言われています。昔から、モノン族は象の狩猟と調教を行い、焼畑農業を営んできました。一方で、川や湖沿いに住むグループは稲作生活を送っています。ダクラク省、ラク県の住民アマ・フオンさんは次のように話しました。

(テープ)

「ここのモノン族の人々は水稲の栽培に従事しています。湖沿いに住むモノン・ルラム( M’Nong RLam)グループは焼畑農業ではなく、狩猟や稲作、魚釣りなどを行っています。また、風習は、エデ族と同じく高床式の住居に住み、祖先崇拝儀式や銅のドラとシンバルをならします。」

モノンガル グループの風習によりますと、収穫後、各ボンで祭りが開催され、豊作をもたらした神様と先祖を感謝する気持ちを表すことが狙いです。また、水牛を供養する儀式が最も大切にされています。次の期作が豊作になるように、水牛の供犠が行われるのです。」

ところで、婚姻の儀式は重視されています。母系制度は父系制度に代替されました。また、モノン族の文化・芸術も豊富で、昔話や民謡、叙事詩は代表的な文化財です。さらに銅のドラやシンバル、石で作った楽器、水牛の角で作ったトランペットなどの演奏はモノン族の独特な文化を示しています。

 

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