少数民族の子どもの教育を支援するライチャウ省の国境警備部隊
(VOVWORLD) - ベトナム北部山岳地帯ライチャウ省の人口は46万人で、その中で、少数民族の割合は84%にのぼっています。
子どもを学校に連れて行っている国境警備部隊の兵士 |
そのため、少数民族の子どもの教育はライチャウ省の重要な課題です。こうした中で、同省の国境警備部隊は「国境警備部隊の里子」というモデルを展開し、少数民族の子どもの学習を支援しています。
ライチャウ省ムオンテ県にあるトゥルム国境検問所を担当する部隊が「国境警備部隊の里子」の展開を始めたのは2008年のことです。地元は貧しい状況にあったため、子どもたちを学校を行かせることができない少数民族の家族があり、トゥルム国境検問所の部隊はこれらの家族の子どもを里子にすることにしました。
子どもたちは部隊の基地内に住み、生活から学習まですべてを部隊の士官・兵士たちが世話をしました。これまで、同部隊の里子になったのは6人で、その中の2人は少数民族ラフー族で、中学校4年生のチャン・モ・フさんとマ・ドゥク・マインさんです。フさんとマインさんの話です。
(テープ)
「私の家族は兄弟がたくさんいて、とても貧しいです。国境警備部隊の里子になって学校に通わせてもらい、本当にうれしいです。わたしの夢は、国境警備部隊の兵士となって人々を助けるということです。」
「兵士たちからは、整理整頓などいろいろなことを学ぶことができました。兵士たちのような人になるために、一生懸命勉強したいと思います。」
「国境警備部隊の里子」というモデル により、学校をやめるケースが減りつつあり、少数民族居住地の教育の質的向上が図られていると評されています。トゥルム中学校のグエン・バン・ズイ副校長は次のように語りました。
(テープ)
「国境警備部隊の里子というモデルは、少数民族の子どもに学校に通う原動力をつけたので、大きな意義を持っています。これにより、子どもが学校をやめるという問題が解決され、子どもの学習成績も良くなっています。」
子どもに教えている国境警備部隊の兵士 |
国境警備部隊は子どもの学習に便宜を図るとともに、将来よい社会人になるため、生活常識や道徳なども教えています。また、子どもの家族を安心させるため、子どもの状況を頻繁に家族に伝えています。トゥルム国境検問所の部隊の担当者カオ・ヴァン・クイ大尉は次のように語りました。
(テープ)
「2008年に、少数民族ハニー族の子ども2人の世話をし始めました。部隊の基地で、子どもの学習はもちろん、飼育や栽培のやり方も教えています。時間がたつにつれて、子どもたちは学習の面でも、性格の面でも著しい成長を見せています。」
トゥルム国境検問所の部隊が2008年に始めた「国境警備部隊の里子」モデルは効果をあげているため、ライチャウ省全体に広げています。現在、ムオンテ県だけでは、国境警備部隊の里子は約20人です。ムオンテ県教育訓練課のトン・タイン・ソン課長は次のように語りました。
(テープ)
「国境警備部隊の里子というモデルは少数民族の子どもの成長だけでなく、教育部門にも有益です。これらの子どもたちの学習成績はだんだん良くなっており、将来よい社会人になるはずです。」
現在、ライチャウ省全体では、国境警備部隊の里子は約60人で、これらのの子どもたちは将来、地元の発展に大きく貢献すると期待されています。