モン族は主に山奥に集中して生活し、厳しい自然条件の中で農業生産を行っていることから様々なかつ独特な耕作を作り出しました。モン族の棚田を見ると彼らの農耕の発展度合いが分かるでしょう。モン族の主要な耕作は畑仕事と水稲栽培です。モン族は山林を伐採して、棚田を作り、水田を耕し、稲を植えます。棚田を作るため、山麓や谷間の傾斜地の、水源のある土地を探します。北部山岳地帯ラオカイ省に住むモン族のザン・ミ・リさんは次のように語りました。
(テープ)
「モン族は大昔から棚田を営む習慣があります。丘の麓から頂上にかけて棚田を作るのです。鍬で土を耕し、平にします。古来から伝わる経験に従って、平面を作るのです。水平に保たれた田は規則的に集積します。この棚田の平面を標準として、ほかの棚田を作ります。」
このように語ったリさんはまた、「棚田づくりの過程で平面作りは重要なことで、高い技能と技術が求められる」と明らかにしました。また、棚田づくりに際し、平面と水源という2つの要素が確保されなければなりません。棚田作り方は2つあり、下からか、上から土を掘って、等高線に沿って水田を作るということです。平面度の測定は目測で行われます。同じくラオカイ省に住むザン・ア・ジンさんは次のように語りました。
(テープ)
「モン族は教育を受けてから、開墾の方法が大きく発展しました。モン族は傾斜地に作った棚田は貴重な植物の生息空間であり、美しい景観の提供など、様々な役割を果たすことが分かるようになりました。また、モン族の平面確定の方法は素晴らしいと思います。かつては教育を受けなかったので、素朴な測定技術を使いました。」
かつて、モン族の祖先は機械もなかった時代に想像もできないほどの時間と労力をかけて、長年守り継いできた多くの棚田を作りました。北部山岳地帯イエンバイ省に住むザン・ア・チュさんは次のように話しました。
(テープ)
「モン族は地形が良くない土地で耕作を行うことから、生活はまだまだ困難な状態にあります。経験によって、田畑の耕作を行っていますよ。畑を仕上げてからも水牛や耕運機の選択は重要なのです。高地に相応しいものでなければなりませんからね。」
モン族は山奥で耕作をし、質素な生活を送っていますが、壮大な棚田に従事し、美しい景観を作り上げました。彼らを独特な農業技術者と呼んでも過言でもないでしょう。