文化は常に社会と民族の発展、日常生活と密接に結び付いています。また、それぞれの民族文化は民族色を表すものであるとみられます。しかし、社会が発展するにつれて、民族文化が衰退する恐れがあります。
こうした事情を前に、北部山岳地帯ディエンビエン省、ムオンライ町に住むタイ族の人々は独特な形で民族文化の保存に取り組んでいます。
この間、ディエンビエン省、ムオンライ県、ナライ地区ではタイ族を対象とした「民族衣装と家具」のコンテストが開催されています。民族衣装を着用するタイ族の若い男女たちはコンテストへの登録準備を急いでいます。
ナライ地区文化担当のロ・バン・マインさんは次のように語りました。
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「こうしたコンテストを開催するのは今回が初めてです。コンテストを通じて、タイ族の古来からの家具を修復したいと思っています。各集落の準備は良好です。また、住民の皆さんはこのコンテストに積極的に参加してくれました。」
「民族衣装と家具」コンテスト2013はタイ族をはじめ、地元の各民族の文化保存発展計画の一環として行われました。この計画は2011年から2015年期の経済社会発展計画と連携させ実施されています。
ムオンライ町文化情報室のチャン・ティ・フオン・ザン室長は次のように語りました。
(テープ)
「私たちの目的は地元のタイ族の伝統文化を保存することにあります。ほかの民族と混じらないように、日常の衣服から言語に至るまでを保存しています。また、若者に対し伝統文化を守る意識を向上させなければなりません。」
タイ族の民族舞踊スエ
ムオンライ村文化情報室はタイ族の伝統文化保存計画を打開的に実施しており、その中で、各種コンテストの開催は住民に対し、文化保存の重要性を宣伝したうえで、民族文化の保存・発揮への認識を向上させるため、効果的な活動であると評されています。
ナライ地区の住民ロ・ティ・リエンさんは次のように語りました。
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「家にいる時はタイ語を話しますが、タイ語が分からない人々と接触する時は公用語を使います。民族文化を保つため、小さい子にもタイ語を教えます。彼らは学校で公用語を使いますが、家ではタイ語を話すようにさせますよ。」
タイ族の文化保存発展計画はそれぞれの集落、村の文化的生活作り運動と連携、実施されています。同時に町全体で30あまりの文芸団が設立され、週末に民族舞踊や歌唱の練習をしています。
さきほどのムオンライ町文化情報室のチャン・ティ・フオン・ザン室長は次のように話しています。
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「ライヌア村では高齢者の舞踊グループがあります。彼らは皆60歳代です。文化保護計画を実施する必要があると考え、村の子供たちに踊りを教えています。ムオンライ町文化室の振付師と演奏者も参加し、タイ族の古い踊りを学んだ後、ムオンライ町の各文芸団に教えます。」
一方、地方行政はタイ族の文字保存を重視しています。ザンさんは次のように明らかにしました。
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「教育室は各学校でタイ文字の教育を進めています。2012~2013学年度に、ライヌア村の小学校3年生を対象にタイ文字の教育を試験的に行ったところ、65人がタイ文字が分かるようになりました。今年は4年生を対象としています。」
西北部、とりわけムオンライ町に住むタイ族は豊かで独特な文化を誇っています。それで、タイ族の文化の美しさが保たれる必要があるとしています。ムオンライ町のこうした活動は今後も民族文化が保存・発揮されてゆくことでしょう。