水に対するエデ族の認識

(VOVWORLD) - 現在、エデ族の水源を祀る儀式は昔より簡単になりましたが、その意味は依然として保たれています。それは信仰的な意味だけでなく、水源を始めとする環境を守る意識を村人に教える教育的な意味でもあります。

ベトナム中部高原地帯テイグエン地方に住んでいる少数民族エデ族は、水を最も重要な資源とみなしており、水源には神様がいると考えています。新たな栽培シーズンに入る前に、水と良い天気を与えてくれる神様に感謝するために、水源を祀る儀式を行います。

水に対するエデ族の認識 - ảnh 1 水源を祀る儀式

エデ族のどこの居住地にも、その土地の人たちが利用する水源があります。その水源は、井戸あるいは谷川の水をとりやすいところにあります。エデ族は村を成すにあたり、立地を選ぶときに、その地の水源をよく調べます。水を十分に提供できる水源がなければ、村の立地になり得ないということです。

水源を見つけた一族は、「水源の持ち主」と呼ばれ、水源を祀る儀式の開催を担当します。ダクラク省ブオンマートート市キ村の「水源の持ち主」であるホロイ・ホドクさんは、この儀式は水源の持ち主とその村人の経済的条件に基づいて行われると述べ、次のように語りました。

(テープ)

「昔から、キ村の水源を祀る儀式は、ホドク一族が担当しています。年1回か、2年に1度、3年に1回など。水源の持ち主のその時の経済的条件によります。この儀式は、豊作のほか、村人の健康と幸福を祈るためです。水源の持ち主である一族にとって、この儀式をうまく行えば、一族がみな健康で、仕事もうまくゆくという大きな意義があります。」

村長がとり仕切る中、村人は儀式の準備作業について話し合います。村人はそれぞれの役割分担、そして準備作業を進めます。男性は村の水源を掃除したり、水源への道を補強したりします。一方、女性は家を掃除したり、儀式の供え物を用意したりします。

水源を祀る儀式は3つの儀式からなります。まずは、水源の持ち主の家で行われる、その持ち主の先祖を招待する儀式です。その後、水源のところで、水源の神様を祀る儀式を行います。最後に、持ち主の家に戻って持ち主の健康を祈る儀式です。それぞれの儀式はお供え物が用意されますが、お供え物は豚や鶏、お酒などです。儀式後、村全体は村の集会所に集まって、歌ったり踊ったりしながら、宴会を楽しみます。キ村の村人の一人の話です。

(テープ)

「ブオンマートート市では、わが村はこの伝統的な儀式を保っている村の一つです。儀式を通じて、先祖から伝わる伝統文化や風俗習慣をさらに理解することができます。これを通じて、自分のルーツを思い出しながら、ご先祖の恩に感謝します。社会が現代化しつつありますが、時代の進んだ技術を身につけるとともに、自分の伝統を守ることは重要だと思います。」

現在、エデ族の水源を祀る儀式は昔より簡単になりましたが、その意味は依然として保たれています。それは信仰的な意味だけでなく、水源を始めとする環境を守る意識を村人に教える教育的な意味でもあります。

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