今年第1四半期、ベトナムの輸出額はおよそ245億ドルに達し、昨年同期と比べると24%増となっています。今年全体の目標輸出額を過去最高となる1088億ドルが設定されましたが、国内と世界経済が停滞し、国内企業の輸出活動が困難に直面している現在、この目標達成は大きな課題となっています。
今年第1四半期末時点で、紡績縫製部門の輸出額はいくつかの市場向けの輸出が困難に直面したにもかかわらず、32億ドルに達し、昨年同期比、15・4%増となり、主力の輸出部門の中でトップに立っています。ベトナム紡績縫製協会のダン・フュオン・ズン副会長兼事務局長は「第2四半期と第3四半期にこうした困難が緩和される。というのは多くの企業が結んだ契約は、規模と金額の両面で増加しているからである」と明らかにし、次のように語りました。
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「2012年、繊維製品の輸出額を180億ドルから185億ドルにするという目標が掲げられています。第1四半期には困難がありましたが、第2四半期に入り、この状況が改善されています。各企業はアメリカなどから、多くの注文を受けました。また、日本や韓国と締結した自由貿易協定は効を奏しています。さらに、キューバなどの新しい市場への輸出は安定しています。」
ズン副会長はこのように語りました。
経済専門家は困難な状況の中で、第一四半期におけるベトナムの輸出額は昨年同期比、およそ24%増となったことは喜ばしいことであるものの、今年の輸出活動が困難に直面しつつあるとの予測を出しました。ベトナムの中央経済研究院のボーチータイン院長は「経済成長率や消費力の低下、輸出用品の値下げなどはベトナムの輸出活動に悪影響を与える可能性がある。こうした中、国内企業は低金利の融資を受けるためには様々な困難がある」と明らかにする一方、今後数ヶ月で輸出が順調になるであろうとの見解を示し、次のように述べました。
(テープ)
「第一四半期に、輸出額の伸び率は20%増に達したこと、世界経済は停滞から脱出しつつあること、及びベトナム政府が適切な措置を取っていることで、第2四半期から、国内経済が改善されると期待されています。これにより、今年全体の輸出額は1000億ドルを超え、10%増となるという目標は実施可能なものであると思います。」
タイン院長はこのように述べました。
今年の輸出目標値は過去最高となりますが、これを達成するには、各省庁、地方、及び企業の努力が求められています。貿易振興の強化と刷新、二国間と多国間の貿易協定の交渉の促進、輸出市場の拡大のほか、企業の補助は差し迫った問題となっています。商工省が発表したところによりますと、国内企業の輸出が停滞しつつあり、輸出額はおよそ90億ドルで止まりました。一方、外資系企業の輸出額は150億ドルを超え、昨年同期と比べ43%増となっています。実際、国内企業は様々な困難に立ち向かっており、適宜の援助を必要としています。これについて、商工省のグエン・タイン・ビエン副大臣は次のように語っています。
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「国内資本100%の企業を援助することや企業に有利な条件を作り出すことは第一の課題に位置づけています。この援助は原産地証明書の所得に関する優遇措置の申請だけでなく、ベトナムが参加している自由貿易地域の優遇税制の対象となる製品の生産への長期的な投資も含まれています」
ビエン副大臣はこのように語りました。
1088億ドルという輸出額に加えて、輸入額がおよそ1170億ドルに達するならば、輸出入額はおよそ2250億ドルとなる場合、ベトナムはシンガポール、インドネシア、タイ、マレーシアとともに、輸出入額が2000億ドルを超えたASEAN加盟5カ国グループをつくります。この目標が達成されるか否か断定することは時期尚早ですが、第一四半期における順調な輸出や企業への適切な補助は経済成長、中でも輸出の発展に原動力を作り出すことでしょう。