ベトナム東北部のクアンニン省は2011~2015年期に、投資振興活動や、行政改革、経営投資環境の改善、企業の困難解決などに力を入れてきました。その結果、同省は国内外の投資誘致に著しい成果を収めています。
クアンニン省ハロン市
FDI=外国直接投資の誘致はそれらの成果の1つです。クアンニン省への今期のFDI額は16億ドルに達しています。現在、省内で活動中の外資プロジェクトの件数は104件で、その投資総額は51億ドルに上っています。中でも、中国の繊維製品企業天虹(テンコウ)社の工場や、モンズオン火力発電所、タンロンセメント生産工場などは最も大規模なプロジェクトです。
クアンニン省の今期の国内投資は、72兆ドン(約4000億円)に相当する198件のプロジェクトを誘致しました。その中で、海洋公園建設プロジェクトや、クアンハイン高級温泉リゾート地、ビンコムショッピングセンターなどは省内のサービス業の発展事業に原動力を作り出すものと見られています。
ビッグCスーパーマーケット・ショッピングセンタのクック・ティエン・ハー社長は次のように明らかにしています。
(テープ)
「クアンニン省の投資誘致政策は商業のインフラ整備に集中しており、効果的なものといえます。特に、各プロジェクト向けの立ち退き作業は迅速でした。これは、国内外の企業を引き付けるための重要な要素です。」
これらの成果は、クアンニン省当局が2011年からこれまで成長モデルの刷新に力を入れてきたことによるものと見られています。同省は、発展戦略の立案や、投資・貿易振興活動のプロ化、行政手続の簡素化などが同時に実施してきました。
また、投資家と投資プロジェクトの選択も慎重かつ効果的に行われました。特に、地元の指導部は、企業との会合・対話と頻繁に行い、企業の困難解決や、支援を図っています。そのほか、日本や、中国、イギリスなど外国から投資誘致を促進するため、対外活動の重要視されています。
さらに、インフラ整備は、投資家を引き付けるための措置として積極的に進められています。中でも、ハイハ港湾建設プロジェクトや、ドンマイ工業団地、ベトフン工業団地、ハロン・ハイフォン高速道路建設プロジェクト、国道18号線拡張プロジェクトなどはその証です。
クアンニン省党委員会のグエン・バン・ドック委員長は次のように明らかにしています。
(テープ)
「我が省は、『国営セクターは、民営企業と民間セクターが投資する分野には投資しない』政策をとっています。また、管理能力を持つ企業の権限を広げる措置も取っています。実際、国内外の投資家の省内の発展事業への貢献はとても重要だといえます。」
クアンニン省は行政改革を、投資誘致を促進するための鍵として見做しています。同省は、人民委員会委員長の直接指導の下に置かれる投資振興支援班を設立しました。これにより、投資手続は便利になり、その所要時間が政府の規定と比べ、3分2短縮されました。また、借地代や、税制、資本金、立ち退きなどの面でも優遇措置を取っています。
クアンニン省は『企業と伴に』ということを方針にし、経営投資環境の改善に力を入れています。これにより、今後も多くの成果を収めていくものと期待されています。