ココナッツフェスティバル
「ベンチェ省は参入と発展の軌道に乗る」と題する第3回ココナッツ・フェスティバル2012が4月4日から10日にかけて南部ベンチエ省で開催されました。これはココナッツ栽培を行っている農家、ココナッツ加工業などの出会いの場であるだけでなく、ベンチエ省のピーアール、同省の経済、社会の発展、潜在力の開発にも寄与しています。
ベンチエ省はココナッツの産地として知られています。従来、ココナッツの木は住民の生活と緊密に結びついており、同地の象徴となっています。ココナッツの木からできた製品はベンチエ省の住民に主要な収入であるを与えるだけでなく、観光客をひきつけています。しかし、最近、市場経済の変動の影響を受け、ココナッツ価格が低下してきました。これはココナッツ栽培を行っている農家に不安を与え、ココナッツの栽培面積の縮小に導きました。こうした中、ココナッツ・フェスティバル2012はココナッツ栽培を行っている農家とココナッツ加工業を表彰した上で、ベンチエ省の経済発展におけるココナッツの役割を高めるものとなっています。また、これは科学者、企業経営者、農民にココナッツの価値を分析、総括するとともに、ココナッツの開発、加工、先進技術の導入、農民の援助などに関する政策を提案するため、出会いの場を作り出しました。ベンチエ省人民委員会のグエン・バン・ヒエウ委員長は次のように語っています。(テープ)
「ベンチエ省のココナッツ栽培面積は5万3千ヘクタールを超え、ココナッツの実の収穫量は年平均4億個で、全国各地の収穫総量の53%を占めています。また、ココナッツの生産高はベンチエ省の工業生産高の25%強を占めています。当省をはじめ、ココナッツ栽培各省のココナッツ関連製品は世界の60の国と地域に輸出されています。ココナッツからできた製品は数百種類にのぼり、ベンチエ省の発展事業の重要な一翼を担い、経済、文化、観光発展だけでなく、気候変動への対応、環境保全にも貢献しています。」
ヒエウ委員長はこのように語りました。
ベンチエ省のココナッツ・フェスティバル2012にはシンポジウムやコンクール、食文化、貿易見本市、ココナッツによるアートストリート、ミス・ココナッツ・コンテスト、ココナッツ・キャンディー生産施設やココナッツ農園への観光ツアーなど様々な活動が行われていました。その中で、ココナッツ関連製品展示会とベトナム高品質製品貿易見本市はフェスティバルの目玉となりました。また、フェスティバルには獅子舞や、太鼓の演奏、ココナッツの葉や皮を使用したファッションショーなどが催されたほか、「ココナッツの木の価値向上」、「ココナッツの木・実状と発展方向」と題するシンポジウムなども行われました。フェスティバルを訪れたホーチミン市の企業経営者ファン・フインさんは次のように話しました。(テープ)
「今年のフェスティバルは大いに投資しました。ですから、フェスティバルは必ずや成功すると思います。住民と組織委員会はココナッツの木の価値の向上を願っています。」
フインさんはこのように話しました。
これまでも、同様のイベントがベンチエのココナッツ祭りという名でかつて2回にわたり開催されましたが、今回は「フェスティバル」に格上げされました。今後、国家レベルのフェスティバルとして開催することを同省の人民委員会は政府に提案しています。フェスティバルで行われた活動はココナッツ協会の役割の向上、各組織、科学者、企業経営者の連携の強化に寄与した上で、外国人投資家に対し、ココナッツへの投資を呼びかけ、その経済的価値の向上が狙いです。今後、国内各地だけでなく、ココナッツの栽培を行っている国々との協力を強化し、経験の交換やココナッツ関連製品の多様化、それらから得られる収入の向上が図られると期待されています。