コメ輸出戦略に向けて


ベトナムの経済発展戦略において、農業は重要な柱の1つとして見られています。中でも、コメの生産・輸出は特別な役割を果たしています。そのため、コメの生産・輸出に関する戦略の作成は差し迫った問題となっています。


コメ輸出戦略に向けて - ảnh 1

ベトナム最大のコメ生産地であるメコンデルタ各省の2013~2014年の冬春期は大豊作です。1ヘクタールあたりのコメ収穫量は10トンに上りました。しかし、農民達は豊作の喜びとともに、不安感も隠せません。これは、コメ価格の急落に関する心配です。

2月下旬から、政府はコメ備蓄プログラムを開始しましたが、これは価格の急落に歯止めをかけますが、値上げに繋がりません。それに加えて、4月末まで、メコンデルタ各省は今年の春期の収穫も行います。これにより、コメ価格がさらに下落する恐れが増しています。

西南部指導委員会のグエン・クアン・フォン副委員長は次のように話しています。

(テープ)

「豊作になると、価格が急落します。これは農民達が直面している悪循環です。そして、一番大きな被害を受けるのもまた農民です。これは大きな問題で、解決策を直ちに見出す必要があります。当面は、国家のコメ備蓄量を増加させるという措置を取るよう政府に提案します」

この現実を見れば、農家を支援することは、生産効率の向上へ向けての技術や資金面だけでなく、農産物消費の確保や、価格安定化を目指す政策面でも適切な措置を取る必要があるといえます。

これらを認識した上で、最近、政府と各地方行政は様々な措置を取っています。中でも、コメ生産・消費プロセスにおける農家や、企業、科学者の間の連携を強化することは効果的な政策と評されています。

南部アンザン(An Giang)省チャウタィン(Chau Thanh)県ビンビン(Vinh Binh)村の農家グエン・バン・タク(Nguyen Van Tac)さんは次のように話しています。

(テープ)

「最近、色々なモデルが出ていますが、農家や、企業、科学者の間の連携というモデルがベストだと思います。これにより、コメの価値も高まりますし、消費も確保されます。農民は利益を受けるでしょう」

タクさんだけでなく、他の農家もこのモデルを歓迎しています。ビンビン村の農家グエン・バン・クオンさんは次のように明らかにしています。

(テープ)

「私達はコメの価格急落による圧力に直面してきましたが、最近、自分達のコメを買う企業を選ぶことができるようになりました。高い価格で買う企業に売ります。売らない場合でも、新技術で保管することもできるので安心です」

しかし、これらの結果は初期段階のものに過ぎません。ベトナムが世界最大のコメ輸出国となっている現在、具体的なコメ生産・輸出戦略を作成する必要があると指摘されています。

現在、農業農村開発省をはじめ、関連各省庁、機関、地方はこの戦略の作成を進めていますが、これらがベトナム農業の持続可能な発展に貢献するものとなることが期待されています。

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