ハノイから西におよそ130キロ離れた所にあるスアンソン国立公園は、北部フート省の魅力的な観光スポットとなっています。原生林や多くの動植物が生息するこの国立公園は、ベトナム農業開発省の調査で、ベトナムにある30の国立公園の中で、豊かな生態系を評価され、12位にランクしています。
海抜1500メートルのスアンソン国立公園の総面積は、1万8000ヘクタール。このうち、原生林の面積は2400ヘクタールです。原生林が多く、生態系も豊かなこの国立公園のようなところは、ベトナムにはあまりないと言われています。ここにだけ育つ植物もたくさんあります。スアンソン国立公園管理責任者のダン・バン・ラウさんは次のように語りました。
「テープ」
「スアンソン国立公園はホアン・リエン・ソン山脈に位置しているので、生態系が豊かなのです。国立公園にある1217種の植物のうち、薬として使用されている植物が665種もあります。これはこの地方の観光を発展させるための起爆剤になるのではと思っています。」
スアンソン国立公園には数多くの貴重な動物も生息しています。365種類の動物のうち18種類のけもの、65種の鳥類、25の爬虫類がその貴重な部類に入ります。このうち、特に、46種類の動物が、絶滅の恐れのあるベトナムの絶滅危惧種として、また、18種類が世界の絶滅危惧種とされています。
ヒョウやクマ、サル、ムササビ、キジなどの動物が生息している原生林には、樹齢200年から300年の樹木が生い茂っています。林業に携わるレ・バン・タムさんは次のように話しています。
「テープ」
「スアンソン国立公園は石灰の山なので、そこで育つ植物は、非常に珍しいものなんです。」
また、この国立公園には、鍾乳洞もあります。トラやサル、竜などの姿をした鍾乳石が沢山並んでいます。国立公園の周辺には、それぞれ特色ある文化を持つ少数民族も暮らしています。こういった様々な魅力的要素で、スアンソン国立公園を訪れる観光客は、益々増えそうです。