首都ハノイに隣接するタイグェン(ThaiNguyen)省は、歴史的価値のある史跡や名所も多く、独自の文化を持った民族も10ほど暮らしていますが、ベトナムの国内外で有名なタンクオン(TanCuong)茶の産地でもあります。
タイグェン省の省都であるタイグェン市中心部から南西へ18キロ離れた所にあるタンクオンは、様々なお茶で有名な村として知られています。美しい自然の風景や川や谷に恵まれているこの辺りは、全ての丘が茶畑となっています。この茶畑の中に、栽培農家の家があるのも、他とは違う特徴です。
およそ100年前から、タンクオン地方はベトナムで有名なお茶の産地でしたが、最初に栽培が始まったのはラムソン(LamSon)村でした。この村の殆どの家庭は、お茶の栽培に従事しています。お茶の木は小高い丘だけでなく、各家庭の庭にも
栽培されていて、住民の生活に不可欠なものとなっています。栽培農家の一人であるファム・スアン・ホイさんは次のように語っています。(テープ)
「この辺りは、元々ドイ・ナム(DoiNam)という名前のおじいさんの農園で、主に茶畑
です。米を作っている田んぼもありますが、少ないですね。うちの茶畑は70年前からありました。」
ホイさんはこのように語りました。
また、このタイグェン省には、歴史あるお茶の木が今でも残る古いお寺のフォン・ソン寺もあります。
フォン・ソン寺の管理人を務めるホアン・バン・マインさんは次のように語っています。(テープ)
「フォン・ソン寺にあるお茶の木は18世紀の末から栽培されました。当時は、寺の庭には沢山のお茶の木があったそうですが、今はこの一本しか残っていません。」
マインさんはこのように語りました。
また、タンクオン村を訪れる際には、タンクオン茶文化会館は、はずせません。
ここでは、お茶の栽培技術や、お茶の加工方法を実演で紹介したり、写真で
展示したりしています。訪れた人は、タンクオン茶を味わうことも出来ます。タンクオン茶は、うま味成分のアミノ酸をたくさん含んでいて、ベトナムで最も品質の良いお茶となっています。
「チャ・モク・カウ」釣り針茶
摘み取ってすぐに加熱されたお茶の葉っぱは釣り針の形になるので、「チャ・モク・カウ」(釣り針茶)と呼ばれています。
炭で沸騰させた井戸水や谷からの湧き水で、いれたタンクオン茶はその美味しさが何倍にもなるようです。