タイ族の結婚式

現在、タイ族の人々は、デンン・ビェン省内の殆どの県と町に暮らしていますが、デェン・ビェン県とトアンザオ県に集中しています。

タイ族の人々は、現在でも、婚姻をはじめとする多くに独特な風俗習慣をみられます。最近の結婚式は、近代的な傾向になりつつあるのの、その儀式は昔のまま維持されています。黒タイ族の習慣によりますと、結婚前に花婿は花嫁の家に一時同居しなければなりません。ベトナム科学社会研究院のマイ・タン・ソン博士は次のように明らかにしています。

(テープ)

「黒タイ族の男子は、親に甘やかされて育てられます。そのため結婚前に、男性は6年ないし12年間女性の家に住まなければなりません。その間に、男性は女性の父親から、今後の生活に関する全ての技を教わります。」

ソン博士はこのように語りました。

そういう付き合いを経ることで、男性と女性は互いに深く理解しあいます。二人は、婚姻の成立に同意し、結婚式を行います。黒タイ族の結婚式は盛大に開かれます。結婚式の当日、男性の家は、必要な品物を女性の家へ持参します。全ての儀式は新婚夫婦の部屋で行われます。

最初の儀式は「掛け布団を敷く」という儀式です。この儀式を進行する人は、男性側と女性側からぞれぞれ2人の女性です。この4人の女性は、元気がよく、幸福な生活を送っている人でなければなりません。長老によりますと、これは、新婚夫婦が幸せで、男女の子供を出産することを祈願するからです。

続いて、「タン・カウ」という「頭の髪を丸く結い上げる」という儀式です。黒タイ族の既婚女性は、古来から頭髪を丸く結い上げてきたからです。タイ族の伝統衣装を着用する女性は、お供えの前で、ひざまづき、母親から髪の毛を外してもらいます。その後、男性側の人が「タン・カウ」の儀式を行い、やっと二人は正式な夫婦になります。

注目すべきことは、タイ族の女性は、結婚前の数年間にわたり、主人の家に持参する資産を用意しなければならいということです。というのは、タイ族の習慣では、花嫁は花婿に嫁ぐ時に、たくさんの掛け布団、敷布団、枕、スカートなどを持参しなければなりません。

これについてソン博士は次のように語っています。

(テープ)

「女性は結婚前に、長年にわたって自分と主人の家族用の布団、スカートなどを作らなければなりません。その数は大量です。というのは、結婚の後に、その女性は、出産、労働など様々な仕事をしなければならず、家の中の仕事をする時間は独身時代より少なくなるからです。ですから、主人宅に持参するスカート、布団、枕などは向こう数年間経っても使用できます。」

このように語ったソン博士は、この風俗について次のように説明してくれました。

(テープ) 

「女性は子供の頃から、色々な仕事をしなければなりません。その一つの仕事は、綿花の栽培、布織り、掛け布団・敷布団・スカートなどを作ることです。これらの仕事は母親から教わります。女性の勤勉さと器用さを評価する基準は、スカートなどの織物の品々です」

ソン博士はこのように語りました。

時を経ても、タイ族の人々は、これらの儀式を維持しています。ロ・ティ・ビェンさんには来年、結婚する娘がいますので現在、娘と共に布団、敷布団などを作っています。ビェンさんは次のように語っています。

(テープ) 

「布団や敷布団などの数は自分の好みによって作ります。決められていません。余裕な家庭は、10組ないし20組も作りますよ。」

のように語ったビェンさんは、タイ族の布団、敷布団は長さ1,7メートル、幅1,5メートルでとても小さいものであると明らかにし、次のように語っています。

(テープ) 

「タイ族の布団の特徴はそのサイズにあります。幅の狭い布団を作るのは、新婚夫婦が互いに近くになる為です」

ビェンさんはこのように明らかにしました。

まもなく春がやって来て、タイ族の男性、女性は新婚の季節を迎えます。

 

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