ハイテクアグリカルチャー開発をめぐる問題

(VOVWORLD) - ベトナムは農業生産発展事業において多くのメリットに恵まれていますが、複数の農産物の競争力はまだ低いと指摘されています。その主な原因は農産物の生産と保管への先進技術の導入がまだ遅いということです。

こうした中、ハイテク農業の応用はベトナムの農業生産発展事業の突破口を切り開くものとされています。国際社会への参入が進められている中で、ベトナム政府はハイテク農業の導入を自国の農産物の価値向上を決定する必然な方向と見なしています。2010年に、政府は2020年までのハイテク農業の導入・開発に関する決定書を発表しました。

ハイテクアグリカルチャー開発をめぐる問題 - ảnh 1        ハノイ郊外にある有機野菜生産農場

同時に、ハイテク農業に携わる農家と企業の支援や、ハイテク農業共同生産組合設立、農産物生産のバリューチェーン作り、質の高い農産物生産、環境にやさしい農業生産、食品安全衛生の確保などに関する複数の政策をとってきました。

その中で、ハイテク農業共同生産組合の設立・運営は専門家の注目を集めています。これに関し、農業経済を研究するエコノミストのレ・バン・ギアさんは次のように語りました。

(テープ)

「ハイテク農業共同生産組合に関して、各国の経験にしたがって、優れた人物を組合長に採用することができます。また、マネジメントボードを設立し、土地や、組合員の生産計画の立案、農産物の付加価値の増加、組合員の権利の保護などを担当させます。このモデルは、製品の消費や、節水などに関する先進技術の導入、コストダウンなどに役立つと思います。」

ハイテク農業開発に関するプログラムが展開されてからこの10年間、ベトナムでは、29の農業団地や、20社のハイテク農業企業が設立されてきました。中でも、北部バクニン省、中部ラムドン省、南部ホーチミン市での有機野菜の生産、花栽培モデルや、北部ビンフック省でのクリーンキノコ生産モデル、北部山岳地帯タイグエン省でのクリーンお茶生産モデルなどは代表的なものと見られています。

特に、南部各省の多くの農家と企業は先進技術の導入により、自らの製品の質が国際基準に達するようになりました。ホーチミン市の企業「チュオイビェト(Chuoi Viet、ベトナムバナナ)」社はその1例です。2015年に活動を開始したばかりのですが、これまで、同社は、日本や、欧州など基準が厳しい市場に進出できるようになっています。同社のレ・スアン・フゥオン社長の話です。

(テープ)

「現在、我が社が使用するすべての肥料や、農薬は欧州諸国の製品です。これらの肥料と農薬により、安全な製品を生産できます。我が社の製品は有機農産物といえます。」

ホーチミン市の農業発展戦略には、「2020年をめどに1ヘクタールあたりの年平均農業生産価値を3億ドンに、そして、2025年をめどに5億ドンに高める」という目標が掲げられていますが、現時点までは、多くの農家と企業の収益額がそれらの目標値を上回っています。これらは、ハイテク農業のメリットを示すも証と評されています。

しかし、ハイテク農業開発事業が多くの困難に直面していることは事実です。これらの困難を解決するために、政府は複数の措置をとっています。その中で、100兆ドン(5000億円)相当のハイテク農業支援プログラムは積極的に展開され、多くの成果を収めています。

また、先ごろ、政府は「2020年までのハイテク農業団地発展マスタープラン、及び、2030年までのビジョン」を承認しましたが、これもベトナムのハイテク農業開発事業の強化に貢献するものと期待されています。

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