ハノイ市内のチエウヴィエトブオン通り160番地では、毎週日の曜日朝9時から切手市場が開かれています。市場といっても、人々は切手を売り買いするだけではなく、切手を鑑賞したり、切手にまつわる物語を聞くために集まります。
切手市場は、切手愛好家の一人であるファム・ハオさんの家の前の小さな空間です。この市場の始まりは2003年末、チャットを通じて知り合った切手愛好家たちがこの通りの160番地の路上カフェに集まるようになったのがきっかけで、それ以来7年近く毎週休むことなく開かれています。
路上カフェがなくなった現在、切手市場はプラスチック製のテーブルと椅子が数脚並べられただけの簡素なものですが、切手交換をする人、切手への思い入れを語る人で賑わい、切手愛好家たちにはなくてはならない場所となっています。
市場に集まる人々は老若男女、学識者から自転車修理職人まで様々です。常連客の他にも、この切手市場の噂を聞きつけて全国各地から切手愛好家が集まるほか、外国人の姿もあります。切手愛好家の一人であるダオ・ドク・ロンさんは次のように語っています。(テープ)
「切手愛好家は歴史、地理、科学、自然など豊富な知識を身に付けていなければなりません。さらに、切手愛好家は切手に関する新聞、資料などを通じて情報を把握していなければなりません。」
ロンさんはこのように語りました。
一方、大学生の切手愛好家・ホアン・アン・トアンさんは、一枚一枚の切手を通して、愛好家らは、文化、歴史、独特芸術に関する知識を身に付けることが出来ると明らかにし次のように語っています。(テープ)
「切手収集は、我慢と忍耐の性格を求めています。切手収集を通して、各時代にわたるベトナムの歴史、生活、経済社会などを理解することが出来ます」
トアンさんはこのように語りました。
切手収集コレクションは様々なテーマがありますが、最も多いのは蘭の花、ホーチミン主席などの歴史的な人物、軍隊、実業家、風景、動物などです。これについて切手市場の創設者であるファム・ハオさんは次のように語っています。(テープ)
「この切手市場に参加した若い切手収集家を初めとする切手愛好家は独特な切手を観賞しながら、入手したいのです。さらに、彼らから切手の情報を把握できます」
ハオさんはこのように語りました。
オンラインの切手市場が開設されたことで最近ではこの路上の切手市場を訪れる切手愛好家は減ったものの、依然としてこの市場での切手交換は根強く、客が切手を売りに来ることもあります。この切手市場は、小さな切手にたくさんの思いが詰まった切手愛好家たちの文化交流の場であり、ベトナム歴史の価値の維持に寄与してゆくことでしょう。