ベトナムの経済が不況な状況に陥り、外国直接投資が減少しつつある背景の中に、2012年、南部ビンズオン省は国内各地の中で、群を抜いてFDI=外国直接投資の誘致でトップになっています。同省はインフラ整備、行政改革、地理的な便の良さなどのメリットで魅力的な投資先と見做されています。
南部の経済重点地域に位置するビン・ズオン省はこの数年、外国直接投資の誘致先として上位に入る知名度を得ています。
2012年、同省が誘致した外国直接投資額は25億3千万ドルに達しました。これは経済不況やFDIが減少する傾向にある背景の中で評価すべき成果となっています。同省の指導者は有利な地理的条件を生かすと同時に、行政手続の刷新を進め、開放的な投資環境づくりに取り組んできた結果、FDIの誘致で目覚しい成果を収めました。また、同省は日本や韓国など有望な市場で投資振興を集中的に行っています。同省が誘致した投資プロジェクトは工業やサービス業、都市開発などに関するものです。現在、日本は同省に投資を行っている国と地域の中で、一位に立っており、投資プロジェクトの件数は167件で、額にして31億ドルとなっています。外国人投資家協会のグエン・バン・トアン副会長は次のように語りました。(テープ) Toan
「ベトナムに進出する外国人投資家は企業や工場、生産施設の建設に際し、投資環境、行政府、労働者のことを見極めたがると思います。投資環境が有利だと判断した場合、ほかの投資家をベトナムに呼び込むでしょう。ビン・ズオン省は投資誘致に関する経験を積んできたことから、投資家のさらなる誘致に利点があります。」
トアン副会長はこのように語りました。
この数年、ビン・ズオン省は工業団地の開発に力を入れています。これは同省のFDI誘致に寄与しているとみられます。これまで、同省にはおよそ9千ヘクタールにおよぶ28ヶ所の工業団地が建設されました。2020年までに、同省は中央直轄都市へと成長するという目標を設定し、都市開発を加速しています。現在、ベカメク総合会社は1000ヘクタール規模の新都会建設プロジェクトを展開しており、行政・銀行センター・集合住宅地が整備されています。一方で、各省・市と結ぶ高速道路建設プロジェクトが実施されています。その中には投資総額3兆5千億ベトナムドン、日本円でおよそ 円をかけるミーフオック・タンバン高速道路があり、来年の完成が予定されています。また、ビン・ズオン省はサービス業の改善や人材育成にも関心を寄せ、投資家の要求に応えられることが狙いです。ベカメク社のグエン・バン・フン社長は次のように話しました。(テープ)
「新たな段階において発展事業の要求に応えられるよう、当省と弊社はインフラ整備に投資を強化し、工業団地の開発と職業訓練学校、大学建設への投資を連携させ進め、人材の質的向上を目的としています。」
フン社長はこのように話しました。
なお、ビン・ズオン省の指導者は外国直接投資の誘致に際し、発生する問題を適宜に解決し、企業の生産・経営活動、及び投資プロジェクトの実施に有利な条件を作り出しています。また、工業団地の建設に投資を優先的に行うとともに、ハイテク分野への投資プロジェクトや環境に優しい投資プロジェクトの誘致に取り組んでいます。これにより、同省は持続的なFDI誘致が図られることでしょう。