ベトナムの経済状況

(VOVWORLD) - 統計総局によりますと、第3四半期にベトナムのGDP=国内総生産伸び率は7.46%に達し、この10年間で、最高となっています。これにより、今年通年のGDP成長率を6・7%にする目標達成が可能な見通しだということです。

今年1月から9月までGDPは前年同期と比べ6・4%増加しています。すべての分野は着実に発展しており、中でも農業、林業、水産物、工業は迅速な成長を遂げています。特に、製造業と加工業の伸び率は12・8%にのぼっています。

一方、輸出や、観光、FDI=外国直接投資の誘致も重要な成果を収めています。輸出に関し、1月から9月までのその累計額はおよそ1540億ドルに達し、前年同期と比べ20%増となっています。また、FDIの新規登録額と増資額などは前年同期比34%増に当たる255億ドルにのぼっています。

統計総局のグエン・ビック・ラム総局長は次のように明らかにしました。

(テープ)

「農業、林業、水産物の構造転換は農・林・水産物の価値向上とその消費増加につながっています。一方、建設的な政府づくりのための努力は企業の信頼醸成に役立っています。従って、世界経済フォーラムは、ベトナムの競争力ランキングを5ランク上げました。この5年間、ベトナムのランキングは20ランク上がっていますが、これは著しい結果です。また、輸出もベトナム経済のスポットライトとなっています。8月と9月には輸出額が初めて190億ドルを突破しました。」

実際、ベトナムの経営投資環境は大きく改善されています。政府は、建設的政府づくりや、行政手続簡素化、経営投資環境の改善、企業への有利な条件づくりなどに注力しており、多くの成果を収めています。

この9ヶ月間、新規設立企業が9万4000社にのぼり、経済活動にさらにおよそ2000兆ドン(約10兆円)を調達したことはその証と見られています。しかし、ベトナム経済が多くの困難に直面していることも指摘されています。

その中で、鉱産物開拓の停滞、農業生産の減速、歳入と公的投資の資金調達の進み具合が遅いことなどが取り上げられています。こうした中、政府は問題解決へ向けて、様々な措置をとっています。

中央経済管理研究院のグエン・ディン・クン院長は次のように分析しています。

(テープ)

「公的投資とその資金調達についてですが、一番重要な方法はその投資の質的向上だと思います。そのため、重視すべきことはプロジェクトの件数ではなく、投資効果だといえます。公的投資の資金調達で急ぐべきではないのです。その効果を分析・確認した上で資金を調達する必要があります。また、効果が高いプロジェクトを資金調達の優先対象とすることも提案します。」

エコノミストらによりますと、今年通年のGDPが6・7%増加するという目標達成のために、第4四半期の伸び率は7・31%に達しなければなりません。これは重い任務で、すべての機関、部門、地方、企業の努力が求められるということです。

また、「ベトナムが経済再構築や、成長モデルの刷新、競争力の高い企業共同体づくりなどを進めている中で、成長速度ではなく、成長の質的向上を重視する必要がある」とも訴えています。

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