ベトナムへのFDIをめぐる問題


2016年、ベトナムへのFDI=外国直接投資額は158億ドルに達し、過去最高となっています。国際社会への参入事業がもたらすメリットや、投資・経営環境改善のための政府の努力などの要素により、ベトナムは外国人投資家の魅力的な投資先であり続けると評されています。


ベトナムへのFDIをめぐる問題 - ảnh 1
バクニン省にあるサムスンの工場

2017年1月と2月に、ベトナムへのFDIは、新規プロジェクトや、資金調達などの面で急増し、記録を更新しています。計画投資省によりますと、新規プロジェクトや、増資プロジェクト、ローカル企業の株の購入プロジェクトはあわせて1100件で、その総額は34億ドル、資金調達額が15億5000万ドルを超えているとしています。

外国人投資家らは、「ベトナムは国内の経営投資環境の改善や、国際社会への参入に取り組んでいる」と評価しています。これに関し、韓国の在ベトナム企業協会のリュ・ハン・ハ会長は次のように語りました。

(テープ)

「この数年間、ベトナムは、持続可能な発展を維持してきました。ベトナム政府は、経済構造改革や、汚職防止対策、行政改革、経営投資環境の改善などのために尽力しています。ベトナムは多くの自由貿易協定に加盟していることから、ベトナムに進出する企業は多くのメリットに恵まれると思います。」

また、エコノミストらによりますと、アメリカのTPP=環太平洋経済連携協定離脱はベトナムへ投資しようとする外国人実業家に一定の影響を与えていますが、ベトナムが既に締結したまたは、交渉を進めている16件のFTA=自由貿易協定は投資家に多くのチャンスを与えているとしています。

世界銀行の専門家セバスチャン・エッカードさんは、「ベトナムは着実に発展し、政策改善により健全な環境を作り、そして、持続的な要素を見せている」と評価しています。

また、「ベトナムは、経済発展事業の具体的な方向を定め、直接投資の効果的使用を重視しており、これにより、驚くべきの変貌を見せている」とした上で、「これらの政策により、ベトナムは魅力的な投資先であり続ける」との見方を示しています。一方、ベトナム外資系企業協会のグエン・バン・トゥアン副会長は次のように語りました。

(テープ)

「TPPはありませんが、今年はじめから、FDIは増加しています。韓国や、日本、シンガポール、中国のほか、欧州諸国の投資家もいます。欧州がイギリスの離脱による被害を克服するためにこれまで締結してきたFTAを活用していることは、ベトナム・EU間の協力に利益をもたらすと信じています。これらのメリットを生かすために、今後も、インフラ整備や、経営環境改善、法整備、知的所有権の確保などを進めていく必要があると思います。」

複数のFTAがもたらすチャンスや、競争面でのメリットなどにより、ベトナムは投資面での魅力を増しています。エコノミストらの予測によりますと、ベトナムが今年に誘致するFDIは10%ないし12%増加するということです。

こうした中、ベトナムは、外国投資プロジェクトの質を重視しながら、ベトナム企業が外資系企業のサプライチェーンに参入するように有利な条件を作り出す必要があるとしています。

 

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