ベトナムが国際社会への参入を進めている背景の中で、各企業の商標作りおよびその管理は差し迫った問題とみられています。また、これは、ベトナムの製品やサービスが高い品質と威信を持つことを示すものでもあります。現在、ベトナム政府や、各企業は商標づくりに全力を上げて取り組んでいます。
ベトナムの幾つかの有名なトレードマーク
国際社会への参入とグローバル化は企業に多くの大きなチャンスをもたらしていますが、試練もたくさんあります。エコノミストや、各企業によりますと、ASEAN経済共同体が誕生した2015年末からは、ベトナム企業の競争相手の数や、競争の圧力が増しています。
プラスチック製品生産企業ビンミン社のグエン・ホアン・ガン社長は、「多くのベトナム企業は商標づくりを進めてきたが、今後、力をさらに入れていく必要がある」との見方を示しました。「というのは、海外市場に進出するために威信が高い商標は大きなメリットをもたらすからだ」と説明しました。
ガン社長は次ぎのように語りました。
(テープ)
「これは、国際社会への参入事業の大きな問題です。海外市場への進出は関心を集めていますが、私の考えで、先ず、トレードマークづくり・管理、国内市場での威信の維持も重要です。特に、外国企業のベトナム進出が迅速に行われている現在、国内市場の維持は死活問題となっています。」
実際、この10年間、ベトナムは国家商標づくりプログラムを行ってきましたが、世界的に有名な商標がまだ少ないと指摘されています。ベトナムの製品は、世界の大きな市場に輸出されていますが、知名度が低いことは事実です。
ベトナムコーヒー・カカオ協会のグエン・テー・ビン理事長は「各企業は自社を世界市場にPRする戦略を立てる必要がある」とし、次のように語りました。
(テープ)
「商標づくりは一番重要なことと思います。これは、時間とお金がかかりますが、しなければなりません。特に、商標の威信の維持も重要です。また、同じ製品を生産する企業は商標をつくり、知名度を高めるために連携することも効果的な措置といえます。」
エコノミストらは、「商標づくりとともに、製品の品質向上も欠かせないものである」と指摘しています。商工省貿易振興局のブイ・フイ・ソン局長は次のような見方を示しています。
(テープ)
「商標づくりとPRは企業価値、企業の生産経営活動の効果向上にも寄与すると思います。ベトナムが国際社会への参入を進め、新型自由貿易協定を含め多くの自由貿易協定を交渉・締結している現在、その重要性が増しています。これは、各企業の輸出活動と持続的競争にも役立ちます。」
現在、世界市場はベトナム企業に開放されていますが、それぞれの市場はそれぞれの特徴があります。こうした中、企業は、ある市場に進出する前に、その市場を調査・研究するなどして準備作業を周到に行う必要があります。そして、その準備作業において、商標づくり・管理は欠かせないものとされています。