対ベトナム支援者会合2011
ベトナム経済発展に対するODA供与について
先ごろ、ハノイで行われた対ベトナム支援者会合で、支援者らは2012年に、ベトナムに対し、74億ドル相当のODA政府開発援助を供与すると公約しました。経済経済が停滞している現在、この公約額はベトナム経済の発展に対する支援者と国際社会の信頼を示すものとなります。しかし、ベトナムはこの援助を戦略的なプロジェクトにいかに活用し、また、迅速で持続的な経済発展に向け、この援助をいかに早く実施するかが課題となっています。
ベトナム経済は様々な試練や困難に直面すると予測されている2012年、ベトナムに対するODA公約額が74億ドルに達することはメリットとなります。ベトナム計画投資省によりますと、このODA公約額は依然としてベトナムの重点的な分野に集中します。具体的には、交通、都市インフラ整備、医療、教育、人材育成、気候変動への対応、環境、貧困解消、社会安全保障、農業・農民・農村問題の解決に充てられます。交通・運輸分野に関し、ベトナム交通運輸省のゴーテイン・ドック副大臣は「南北縦断高速道路、ハノイと北部山岳地帯ラオカイ省、ハノイと北部港湾都市ハイフォン、南部ホーチミン市とカントー市を結ぶ高速道路など、ベトナムの交通システムの整備は支援者の援助を必要としている」と述べ、次のように語りました。
「実際、私たちの交通システムの整備は様々な困難に直面しています。外国人投資家は道路の整備に投資を行っていますが、北部ハイフォン市、南部ホーチミン市、中部ダナン市など、大都市の港湾への投資を慎重に検討しています。港湾、鉄道、ロジスティックス・システムの連携が課題となっています。」
ドック副大臣はこのように語りました。
他方、農業・農村分野に関して、農業農村開発省のホアン・バン・タン副大臣は「ベトナムは農業・農村への社会のあらゆる財源の活用に関する政策を作成するに際し、援助を必要とする」と明らかにし、次のように述べました。
「農業・農民・農村の発展に社会の多くの財源を活用するよう、政策、体制づくりに対する援助は必要です。支援者はインフラ整備に投資を行うと共に、企業に対し、遠隔地、僻地の農業発展に投資するよう援助したり、農民に対し、貸し出し融資を提供したりすることを希望しています。また、新しい農村づくりも国内外の財源を必要としています。」 タン副大臣はこのように述べました。
計画投資省によりますと、向こう5年と10年の発展戦略を実施する為、大きな財源がなければなりません。同省のカオ・ベト・シン副大臣は「2011年から2020年までの期間に、ベトナムは7千億ドルから7500億ドルの資金を必要とする」と明らかにし、次のように語りました。
「国家と国内の投資だけに依拠するならば、成功は収められないと思います。外国投資は5ヵ年・10ヵ年という発展計画の実施に重要な役割を果たしています。支援者と世界銀行に対し、300億ドルから350億ドルの援助を呼びかけ、5年以内に、その援助の3分の2を実施する必要があります。現在、多くの支援者はベトナムの5ヵ年、10ヵ年発展計画の実施を援助する計画があります。また、ベトナムは2006年から2010年までのODA誘致計画の成功を基礎に、今後5年のODA誘致戦略を作成しています。」 シン副大臣はこのように語りました。
これまで、ベトナムのODA供与の使用は効を奏してきたと評されています。ベトナムの最大のODA供与国・日本のJICA国際協力機構の築野・元則(もとのり)ベトナム代表は「2012年に、ベトナムに対し19億ドルのODA供与を行う。また、この数字は増加する可能性がある」と明らかにし、次のように語りました。
(日本語のテープ)
JICAの築野ベトナム代表はこのように語りました。
この数年、ベトナムのODA実施額は高くなっています。2010年、この数字はおよそ30億ドル、今年は36億5千万ドルに達すると見積もられています。しかし、今後、ODAの実施に関する政策、体制は引き続き整備されなければなりません。これは、2011年から2015年までの期間におけるODA誘致戦略の作成に際し、配慮されるべき問題となっています。