現在、日本や、アメリカ、ベトナムなど各国はTPP=環太平洋経済連携協定に関する交渉を促進しています。この協定の締結は、ベトナムの利点と見られる農業部門に新しいチャンスをもたらすものと評されています。
現在、ベトナムはアメリカに農産物を大量に輸出している15ヶ国の中の1つで、その主な輸出品はコーヒーや、カシューナッツ、コショウ、コメ、お茶などです。また、日本もベトナム農産物の大きな輸出先です。
さらに、最近、オーストラリアや、メキシコなどはベトナムの新規輸出市場として浮上しています。エコノミストらによりますと、TPPの締結により、ベトナムの農産物輸出量は倍増する可能性があると予測しています。
農業政策研究院のダン・キム・ソン院長は「TPPがもたらすチャンスを活用するために、ベトナムは農業を実質的に再構築する必要がある」との見解を示し、次のように語りました。
(テープ)
「農業発展を補助する財源は少ないですが、他の部門から財源を調達することもいい方法だと思います。また、輸出用の農産物を点検し、競争力のないものをやめて、競争力の高いものに集中させる必要があります」
TPPの交渉に参加している国々と比べると、ベトナムの水産物や、コーヒー、コメは強みがある一方、綿や、食用オイル、飼料、青果などは競争力が低いと指摘されています。TPPが発効したのち、これはベトナムにとって大きな圧力となるとされています。
エコノミストチュオン・ディン・トゥエン氏は「ベトナム農業は各国と競合するために、刷新しなければならない」とし、次のように語りました。
(テープ)
「アメリカや、デンマークなど農業大国の競争力はとても高く、ベトナムにとって大きな圧力となります。豚肉を例にとれば、TPP加盟後、その輸入税率は0%になり、ベトナムに大量に輸入される可能性があります。今すぐ、先進的科学技術を導入したり、改革を行う必要があると思います」
実際から見れば、ベトナムは栽培分野で利点がある一方で、畜産分野で他の国に劣っています。TPP加盟により、畜産関連分野における競争力が激しくなります。
その背景の中で、ベトナムはどのような措置を取るかが焦点となります。そして、ベトナムはTPPを農業生産、農産物輸出の刺激策として効果的に活用できると期待されています。