ベトナムは世界最大の履物輸出5カ国のうちの1つです。他の部門と同様、国内外経済の低迷などにより、ベトナム革靴部門は様々な困難に直面しています。現在、革靴・履物生産に携わる企業は引き続き発展させるために、これらの困難の解決に向けて力を入れています。
この10年間、革靴は輸出額が最も高い5品目のリストに入っています。今年は困難な1年ですが、通年の革靴輸出額は約70億ドルに達する見込みです。しかし、エコノミストらは「革靴部門の輸出活動においてはリスクがまだ多い」と指摘しています。これらのリスクを避けるために、各企業は原材料の国内調達強化などのために連携・協力を強化する方針です。これに関し、ベトナム革靴協会のグエン・ティ・トン(Nguyen Thi Tong)理事長は次のような見解を述べています。
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「まず、原材料供給プロセスにおいて、国内の連携と外国企業との協力を強化することです。そのほか、大手企業は中小企業を原材料生産・提供プロセスに参加する必要があります」
トン理事長はこのように語りました。
また、ベトナムが締結してきたFTA=自由貿易協定のメリットを徹底的に活用することも効果的な方策とみられます。これまで、ベトナムはFTA8件を締結しました。これらの協定により、ベトナム企業は相手国の優遇税制の対象となります。現在、ベトナムは自国の最大輸出先とみられているEU=欧州連合とのFTA締結に関する交渉を進めています。こうした中、エコノミストらは「ベトナムの革靴企業はチャンスを見逃さないように、適切な措置を取る必要がある」と助言しています。ベトナム商工省所属多国間貿易局のチェウ・ディン・ズン(Trieu Dinh Dung)副局長は次のように明らかにしています。
(テープ)
「FTAを使用する割合が急増しています。また、協定の公約の90%を活用できるケースもあります。革靴部門にとってEUは大きな市場です。この市場はベトナムの革靴の輸出総量の約5割を占めています。このため、EUとのFTAが締結されてから、各企業がこの協定のメリットを活用するためにどのような措置を取るかが焦点となります」
ズン副局長はこのように語りました。
エコノミストらは「当面、原材料国内調達の強化、FTAのメリットの活用などは効果的な措置であるが、持続的な発展のために、革靴部門は長期的な戦略を立案・実施する必要がある」としています。