ハノイのホアスア
ベトナムの首都ハノイには四季があり、季節によって、それぞれの独自の美しい風景があります。今、ハノイは晩秋を迎えています。空は青く、涼しい風が吹いていて、柔らかい日差しが人々の心を捕らえています。
ハノイの秋は「ホアスア」と呼ばれるミルクフラワーの意味を持つ花が咲いています。「ホアスア」の香りは甘く、魅惑的です。ハノイの秋を歌った多くの歌の中には「ホアスア」の美しさと香りが描かれ、歌われています。 「ハノイの秋を思う」、「ハノイの秋、黄色い葉の木、赤い葉の木、佇む古い家並み」、「君よ、ハノイの町にホアスアの香りが漂う」。ベトナムの著名な作詞、作曲家はハノイの秋の美しい絵を描き上げました。その絵の中に並木、古い家並みの姿を眺めるだけでなく、ホアスアの香りを嗅いで、男女の愛の物語を聞くことができます。「ホアスア」がいつ
ハノイの町に植えられたか分かりませんがこの花が付く木が高くて太いです。「ホアスア」の枝を折ると、ミルクの樹液が出ます、それがミルクフラワーと呼ばれるゆえんです。レ・ズアン通り、チャン・フン・ダオ通り,グェン・ズ通りには「ホアスア」の並木が静かに佇んでおり、中でもグェン・ズー通りの「ホアスア」は一番美しくて、香りが漂います。この通りに沿いの湖畔を散策しながら、湖面に映る日差しを眺めながら、「ホアスア」の甘い香りを酔うこともできます。特に、この花は夕方に咲き、花の香りがこぼれるので、ハノイの人々にとって、忘れがたい香りとなっています。1978年に「ハノイ、鳥が巣を作る季節」という映画の主題歌はこの「ホアスア」をテーマにしたものです。この歌は現在でもよく歌われています。この歌を作った作曲家のホンダンさんは次のように語りました。
(テープ)
「私の作った歌「ホアスア」は多くの有名な歌手の歌声を通じて、幾度となく歌われてきました。「ホアスア」の美しさは男女の愛の清らかな心を表すものです。この歌は「昔の思い出は誰の心の中にそのまま残る、友達が小道で歩んでいる、「ホアスア」の香りは深夜の街にそのまま、こぼれる」と歌っています。
歌「ホアスア」のメロディー
スァ花の姿は長年にわたり、ハノイの町の特徴的な美しさとなっています。秋がハノイを訪れ、「ホアスア」の咲く季節が今年もやって来てきました。ハノイ市民の一人であるタインさんは次のように語っています。
(テープ)
「ハノイについての思い出はいっぱいあります。それらは幼いころの思い出、両親との思い出、「ホアスア」についての思い出などです。ある詩人はチャンフ通りの終わりに「ホアスア」の香りが漂う、君の家への道でこぼれる香りは僕の心の中に残る」と言いました。その詩を忘れることができません」
タインさんの話でした。
ハノイ町には「ホアスア」が静かに咲いており、風と共に、花の甘い香りが漂っています。又、ハノイの新しいそれぞれの通りにも「ホアスア」の並木が植えられています。この花の姿はベトナム首都の文化的なシンポルとなっています。
記者:トー・トアン