メコンデルタの農業


南部メコンデルタの農業は常に、国の発展事業において重要な役割を果たしています。しかし、この地域の農業は持続性が低く、近代的農業生産の要求に応えられていないと指摘されています。こうした中、農業再構築や、域内外の連携の強化、高品質な製品開発、農産物のトレードマークづくりなどはメコンデルタの農業の新しい発展方向と見られています。


メコンデルタの農業 - ảnh 1
メコンデルタのドリアン

エコノミストらによりますと、メコンデルタ各省の経済は年々増えていますが、持続性が低く、農業生産規模が小さくて不安定です。また、農産物加工技術の時代遅れなどにしたがって、生産コストが高くて、幾つかの国際基準を満たしていないと指摘しています。

特に、近年、気候変動の影響や、塩害、環境汚染が深刻化し、メコンデルタの農業にとって大きな試練となっています。カントー大学所属気候変動研究所のレー・クアン・チー所長は、「現在、少数の農家は自発的にこれらの問題の対応策を実施しているが、その効果が低いことから、今後、それに関連する政策を改正する必要がある」との見方を示し、次のように語りました。

(テープ)

「政策と人間は決定的な要素です。気候変動と水源の問題は自然的な現象に過ぎません。人間の力と正しい政策を基礎に、これらの問題を一歩一歩解決できると信じています。ある問題を解決するとき、2つの方向があります。1つ目は順応(じゅんのう)。2つ目は対応です。気候が変動する背景の中で、これらは農業発展のための選択肢です。」

一方、農業農村開発省所属食糧・食品課のレー・タイン・トゥン副課長は、「メコンデルタの農産物の価値がまだ高くない。加えて、気候変動により疫病が多発していることなどに伴い生産コストが高まっており、悪循環を作っている」と指摘し、次のように語りました。

(テープ)

「これらの問題を解決するためには、農業部門全体の力が必要とされます。中でも、管理機関や、業務担当機関、地方行政、農家の共通認識は重要です。また、メリットとデメリットを正しく評定しなければなりません。」


メコンデルタの農業 - ảnh 2
メコンデルタのマンゴーも有名

3年前、ドンタップ省は農業再構築案を展開し、その中で、気候変動は大きな関心事と見られています。同省党委員会のレー・ミン・ホアン委員長は、「この3年、生産組織の刷新や、連携強化、市場開発、生産コスト削減のための努力などにより、省内の農業生産が好転し、農産物の質が高まっている。その結果、多くの農産物が海外に輸出されるようになった」と明らかにしました。

ホアンさんの話です。

(テープ)

「生産規模が小さいのは、トレードマークづくりが難航し、生産コストが高まることに繋がりますね。競争力は、低い生産コストと農産物の高い価値によるものと思います。現在、我が省は生産コストの削減を目指しています。これを通じて、農家らはスマートかつクリーン生産モデルにアプローチできるようになります。」

他方、西南部指導委員会の幹部チャン・ヒュー・ヒェップ氏は、「メコンデルタ各地は、農産物の質の管理・検査を強化する必要がある」との見方を示し、次のように述べています。

(テープ)

「農業再構築のために、バリューチェーンを作り、価値の高い製品を開発し、新しい収穫後の加工技術を導入する必要があります。また、経済価値が高い農産物を選んで、その農産物の専門的栽培を行うことも重要です。」

企業と農家との連携の強化や、市場の需給バランスの確保、農産物のトレードマークづくり、収穫と加工への近代的技術の導入などはメコンデルタの農業を発展させていくための効果的な方法と見られています。これらの措置により、この地方の農業は持続的に発展していくと期待されています。

 

ご感想

他の情報