南部メコンデルタはベトナムの最大コメ生産地となっており、180万ヘクタールの耕作地でコメの2期作、3期作でき、その生産量は日増しに高まっています。この10年間、この地域はコメ生産の機械化に力を入れてきましたが、持続可能な発展のために、さらに促進する必要があると指摘されています。
メコンデルタ地域のコメ生産量は機械化により、大幅増産されています。2001年の年間生産量は1600万トンでしたが、2012年には2450万トンに達しました。特に、生産コストの削減もあり、「収穫」までには、50%に節約できるとされています。
農業の機械化において、ロンアン省は模範として評価されています。同省のコメ栽培面積は26万ヘクタールで、その年間生産量は260万トンとなっていますが、コメ生産の機械化率は95%に達しています。
ロンアン省農業奨励センターのグエン・タィン・トゥン(Nguyen Thanh Tung)センター長は次のように語りました。
(テープ)
「我々はハイテク設備、機械を導入しました。中でも、レーザー技術を適用する機械もあります。これは稲作に突破口を切り開くものと見られています。機械のために、資金のほか、科学研究も欠かせません。現在、我が省は各大学や研究院と協力して、稲作用の機械、設備の開発を進めています」
同省の農家も機械化の利益を目にし、コメ生産の機械化を進めています。ロンアン省タンタィン県タンタン村の農民ボ・バン・チャト(Vo Van Chat)さんは次のように話しています。
(テープ)
「機械化は利益をもたらしていますが、多くの農家にとって、なかなか難しいものです。今後も、多くの農業用の設備を買いたいのですが、行政と銀行から資金と技術面での補助を受けたいのです」
科学者らもこの地域でのコメ生産の機械化に特別な関心を寄せ、様々な補助措置を取っています。メコンデルタ稲研究院の院長であるレー・バン・バイン(Le Van Banh)博士は次のように語りました。
(テープ)
「農村部の労働力は減ってきています。このため、機械化はこの問題の解決に寄与します。しかし、機械の値段はまだ高いので、皆が買えるとはいえません。今後、機械化に関する宣伝啓蒙を進める一方、資金面での支援を強化する必要があると思います。」
一方、国家農業奨励センターのマイ・タィン・フン(Mai Thanh Phung)センター長は次のように明らかにしています(テープ)
「コメの生産量は稲の実の数と品質によるものです。機械化により、稲の実の数は増えます。このため、機械化を進める決意です」
メコンデルタでのコメ生産の機械化を促進するためには多くの問題を解決しなければなりませんが、これは唯一の道と見られています。