今年上半期、ベトナムの輸出類型額はおよそ710億ドルに達しました。これは2010年の輸出全額に相当し、昨年同期の15%増となっています。しかし、ベトナムは輸出の持続的な発展に向け、多くの困難や試練を乗り越えなければなりません。
年初以来、ベトナムの13品目の輸出額は10億ドルを超えました。年末までに輸出額が10億ドルを突破する製品は22品目となり、また、電話機と繊維製品の輸出額は200億ドルを超える見込みです。一方、同じ期間に全国各地の農産物の輸出額はおよそ150億ドルに達し、昨年同期と比べ、およそ13%増となっています。しかし、5月現在、中国向けのベトナム農産物の輸出は困難に陥っています。今後、ある市場だけへの依存を回避するよう、市場開拓が差し迫った問題となっています。ベトナム青果・農産物総公社のファム・クォク・タイ氏は次のように語りました。
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「輸出は今後も困難に立ち向かうと予測されています。我々は市場の多様化、韓国、日本、アメリカ、そして新しい市場へ輸出するためのパイナップルや冷凍ライチなど、付加価値の高い農産物の生産を促進する方針です。」
また、輸出品の付加価値の向上や原材料の輸入への依存度の低下は大きな課題となりつつあります。ベトナムの主力輸出品の一つである繊維製品の輸出額は年初以来、100億ドルを突破しましたが、原材料の大部分は中国をはじめ、外国からの輸入への依存度が高いことから、解決すべき問題が山積しています。北部バクニン省のドンビン縫製株式会社のチャン・バン・カン社長は「外国への依存度を低下させるためには現地調達率と製品の付加価値の向上は必至の課題である」との見解を示し、次のように述べました。
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「これまで我が社は主に加工を行ってきましたが、最近は素材を購入、加工し、他産業へ材料を供給する業界へとシフトし、国内産の原材料の活用を促進しています。また、一ヶ所集中市場への依存を軽減するため、タイやシンガポールからライチを輸入し、加工しています。」
現在、各企業は原材料発展への投資を進め、輸出価値の向上や輸出先の多様化を狙っています。紡績縫製部門は紡績、染色への投資プロジェクトの誘致や裾野産業発展計画の作成を促進してきたことは輸出強化を目指す正しい方針であると評されています。
ベトナム東部海域の緊張情勢が複雑に推移し、ベトナムの輸出に少なからぬ影響を与える恐れがある背景の中で、商工省のブ・フイ・ホアン大臣は「政府は輸出品と輸出先の再構築を進め、企業の支援政策を取る」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「政府は新しい市場を開拓し、ある市場だけに依存しないよう主張しています。また、私たちは原材料生産施設の発展を促進しなければなりません。政府は農業生産、付加価値の向上、輸出の強化にあらゆる条件を作り出す方針です。これにより、輸出が持続的な発展を遂げるでしょう。」
現在、ベトナムはEU=欧州連合との自由貿易協定やTPP=環太平洋経済連携協定の交渉に積極的に参加していることは有望な市場向けのベトナムの主力の輸出品である繊維製品、革靴、農産物などの出荷、安定した輸出の確保に条件を作り出していると見られます。