企業の競争力の向上

ハノイで開催中のベトナム第13期国会第5回会議でなされた政府の報告は「ベトナム経済は安定を取り戻しており、インフラは抑制されている」とした上で、「持続可能な発展のために、複数の政策を実施する必要があり、とりわけ、企業の競争力の向上は差し迫った問題だ」と指摘しました。実際、ベトナム企業の刷新や競争力の向上のためには様々な措置が取られています。

国の経済が低迷状態にある中、政府はマクロ経済を安定化させながら、企業を支援する複数のプログラムを実施しています。企業の生産・経営活動の補助と不良債務の解決を目指す政府の決議1号と2号は効果を上げ、市場に刺激を作り出しています。短期的な措置とともに、政府は長期的な計画も展開しています。


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カオ・シ・キェム(Cao Sy Kiem)元国家銀行総裁は次のように評価しています。

(テープ)

「企業の困難解決と市場刺激策を含む全ての補助措置は積極的に展開されており、変貌をもたらし始めました。当面、企業の在庫問題の解決や、購買力の向上は差し迫った問題となります。そのほか、不良債務と不動産市場の低迷状態の解決も進めなければなりません。これらの措置は企業だけでなく、国の経済全体にも新しい要素を作り出します」

しかし、各企業は政府に対し、「持続可能な発展のために直接的な補助措置だけでなく、間接的な措置も取るよう」提案しています。

ベトナム企業協会の会員であるレー・ゴック・フン(Le Ngoc Hung)氏は次のような見解を述べています。

(テープ)

「政府はこれまで出されてきた政策を徹底的に実施する必要があります。例えば、国営企業の再構築、商業銀行の再構築、公共投資の再構築などです。これらは直接的な措置ではありませんが、企業共同体に利益をもたらすからです。これらの政策の実施はまだ遅るでしょう」

一方、各企業は自らの力で刷新し競争力を向上させる必要があることも指摘されています。国際社会への参入が進められている現在、これは企業の死活問題とみられます。実際、多くの企業は自社の競争力アップのために生産経営活動の刷新や先進技術の導入、管理能力の向上などを進めています。

廃水処理の環境保全用の設備・機械を生産する企業タンベトミー(Tan Viet My)社はそれらの企業の中の1つです。2011年から2012年までの期間に同社は不良債務、大量の在庫など、多くの問題に直面していましたが、正しい刷新計画の実施により、困難を乗り越え、自社の活動の効果向上だけでなく、国内外の企業の投資も誘致しています。

同社のフア・フ・ゾアン(Hua Phu Doan)会長は次のように語りました。

(テープ)

「我が社は先進技術を導入し、製品の質の向上とコスト削減を図っています。そのほか、外国からの新しい技術の導入も重視しています。特に、国際協力を拡大させるために、ベトナムに進出しようとする外国企業とパートナー関係を締結しています。これは持続可能な発展を目指す措置です」

今国会でなされた政府報告は「年末まで、企業の競争力向上へ向けて金融政策、為替相場政策、銀行利率政策、関税政策などを引き続き同時に実施する」という方針を打ち出しました。政府の補助措置と自助努力により、ベトナム企業の競争力が着実に向上することが期待されています。

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