北部山岳地帯の農業発展

ベトナム北部山岳地帯は豊かな天然資源に恵まれており、農業や、林業、水力発電、鉱産物開拓の発展への大きな潜在力があります。しかしながら、多くの地方がまだ困難な状況にあります。こうした中、農業発展は各地方の貧困解消を促進する効果的な措置としてみられています。


北部山岳地帯の農業発展 - ảnh 1
ルクイェン県の「広い田畑」

数年前から、イェンバイ(Yen Bai)省ルクイェン(Luc Yen)県では、「広い田畑」という新しい農業生産モデルが導入されました。これは、農民たちが耕作地を結集させ、広い田畑にして、共同農業生産を行うという新しい生産方式です。

このモデルにより、農民たちは力を合わせ、耕作規模を拡大させ、経済価値の高い農産物の栽培にシフトしています。これまで、ルクイェン県では6つの村が「広い田畑」を作り、その総面積は285ヘクタールに達しています。山岳地帯の険しい地形などにより、この生産方式は平野部と比べ困難がありますが、効果をあげています。

同県の党委員会のホアン・バン・ブイ(Hoang Van Vui)書記は次のように明らかにしています。

(テープ)

「この新型モデルを導入してから、コメの生産量ははるかに増加しています。このモデルを導入した農民はとても喜んでいます。特に、このモデルの導入により、農民の生産能力も高まりました。」

さらに拡大するために、ルクイェン県行政は宣伝啓蒙活動を促進しています。また、農民たちを対象とする新技術説明会なども開いています。特に、タネ購入のための費用の補填、技術訓練、害虫予防対策訓練などの補助措置も取っています。これにより、農民たちはこのモデルの利益を理解できるようになりました。

タンリン(Tan Linh)村の住民の1人、ホアン・ディン・ハン(Hoang Dinh Han)さんは次のように話してくれました。

(テープ)

「このモデルに従って稲作を行うことにより、私たちの知識、能力も高まりますね。皆喜んでいます」

一方、イェンバイ省バンチャン(Van Chan)県も同じモデルを導入しました。同県のフーニャム(Phu Nham)村人民委員会のホアン・バン・トゥアン副委員長は「『広い田畑』という新しい耕作モデルにより、1ヘクタールあたりの稲収穫量は7トンも増加している」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「様々な形で、住民たちに稲作の重要性を説明してきました。農民たちはこのモデルを導入し、実際にその利益を目にしているので、応援しています。今後、このモデルはさらに拡大すると信じています」

この新型生産モデルの維持、拡大を目指して、イェンバイ省の各レベルの行政は科学者、農学研究機関、企業と緊密に協力しています。これにより、これまで、同省は、省内の気候、土壌に見合う複数の新しい農産物種子を導入できるようになりました。

これに関し、バンチャン県農業課のグエン・バン・トアン(Nguyen Van Toan)課長は次のように語りました。

「今後も科学者や企業との連携、協力を促進していく方針を打ち出しました。その目的は「広い田畑」というモデルを拡大させることです。幾つかの村を選んで、新しい生産方式を試験的に実施する計画もあります」

農業が国の発展事業の1つの柱として位置づけられている現在、「広い田畑」という農業生産モデルの導入は現状に合致するもので、山岳地帯の各地方の経済社会発展と貧困解消事業に大きく寄与するものとなると期待されています。

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