(VOVWORLD) - これまで、ベトナムのコメ輸出はかなりの伸びを見せ、輸出分野の主要な柱となっています。特筆すべきことはベトナムのコメが複数の厳しい市場に輸出されたということです。
2020年、ベトナムのコメ輸出総額は30億ドルを超え、一トンあたりの価格は680ドルから1千ドルの高い水準に達しました。2021年に入り、コメの輸出は順調に進められています。去る1月13日、シンガポールとマレーシアに1600トンのコメが高い価格で輸出されました。農業農村開発省によりますと、現在、ベトナムのコメの輸出価格はこの10年間で最高値に達しています。これは生産的思考が変更され、アメリカやEU=欧州連合、日本など厳しい市場の要求に応え、香り米の生産が集中的に進められてきたことによる成果であるとしています。一方、ベトナム食糧協会は、最近、ベトナムのコメ価格がタイより高くなった理由としてベトナムが品種の改良に注目したことを挙げました。香り米の開発・栽培が推進され、輸出市場におけるベトナム米の商標の確立に寄与してきました。ベトナム食糧協会のグエン・チュン・キエン副会長兼事務局長は次のように語りました。
(テープ)
「 品種の面で、我々のコメは中・高級市場に入っています。これは他のコメ輸出国と比べ、ベトナムの優位性となっています。ベトナムは様々な高品質の品種を開発し、市場の嗜好に応えられています。」
他方、ベトナムの農業大手ロックチョイ・グループのフイン・バン・トン取締役会長によりますと、これまで同グループはSRP=持続可能なコメづくりプラットフォームに従ってコメ生産を進めてきました。これは、環境保全と安全な労働条件の確保、貧困農家の所得増及び食糧安全保障の強化を果たしつつ、コメの増産を図る世界初となる稲の栽培基準となっています。現在、同グループのおよそ1万2千ヘクタールにおよぶ原料生産地がSRP基準を導入しています。これにより、農民の健康保護や環境保全、農薬への投資額15%の軽減が図られました。昨年、同グループは2020年8月初めに発効したEU=欧州連合のとのFTA=自由貿易協定で免税対象分の香り米126トンをEU向けに輸出する最初の業者となりました。さきほどのロックチョイ・グループのフイン・バン・トン取締役会長は次のように語りました。
(テープ)
「我々の農民と企業は欧州市場の厳しい基準を満たすコメを生産する能力があるといえます。これを基礎に、コメの生産構造を再構築し、コメの質的向上を進める必要があると思います。コメの品種や原産地、耕作過程、原産地の追跡などを通じて、コメの品質をピーアールできるでしょう。」
レ・クォク・ゾアイン次官 |
農業農村開発省のレ・クォク・ゾアイン次官によりますと、高品質のコメの輸出は大きなチャンスを迎えています。それで、各地方、企業、農家は経済的価値が高く、環境に優しい有機製品の開発に力を尽くしていく必要があるとしています。一方で、付加価値づくりや雇用創出、農産物を対象に優遇税制を適用する自由貿易協定の活用を目指し、加工を推進しなければならないとしています。ゾイアン氏は次のように語りました。
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「コメ生産・輸出は前向きな兆しを見せています。南部メコンデルタでは150万ヘクタール以上の稲作が終了し、稲は順調に生長しています。また、稲の品種が引き続き改良され、85%は高品質の香稲です。輸入国の需要が高まっており、コメの輸出価格は過去十年間で最高を記録しました。
農民、企業、国家管理機関の正しい発展方向と適切なやり方により、ベトナムのコメの商標の知名度が日増しに高くなって、農業をはじめ、ベトナムの経済発展に効果的に貢献すると期待されています。