外資系企業の移転価格対策

(VOVWORLD) - ベトナムのオープンな政策と優遇措置により、外資系企業多数は利益を受け、ベトナム経済に積極的な貢献をしています。しかし、それらの優遇措置を利用して、移転価格を操作し、歳入と投資環境にマイナス影響を与えている外資系企業も少なくありません。

こうした中、ベトナムの関連各機関は経営投資環境の透明化や、歳入の確保、移転価格防止対策を目指し、法的枠組の完備に力を入れています。

財務省企業財政局によりますと、2016年末まで累積赤字を報告する外資系企業の割合は61%にのぼり、2012年~2015年期を上回っています。注目すべきことは、これらの企業が赤字報告をしながらも増資を行っているということです。これは、外資系セクターにおける移転価格状況が複雑化していることを示すものとされています。

最近、移転価格から不正利益を受ける企業も発見されました。その中で、小売企業「メトロベトナム(Metro Vietnam)社」は12年連続で移転価格を操作してきました。同社は5070億ドン(約25億円)相当の税金を追徴されました。また、グラブ(Grab)社は、法定資本は200億ドンだけですが、9380億ドンの累積赤字を報告しています。

特に、最近、海外からベトナムへの所得移転いわゆる逆の移転価格のケースも出ています。税務コンサルティング企業「デロイトベトナム社」のブイ・ゴック・トゥアン副社長は、「他の国々と比べ、ベトナムは法人所得税率が比較的に低い。これは外資系企業の移転価格に条件を作り出す要素である」と分析し、次のように語りました。

(テープ)

「現行の法人所得税率は20%です。これは企業にとって、魅力的な条件です。その税率とともに、企業を対象とする優遇措置もありますが、これらは企業にとって、有益なものです。」

一方、エコノミストらは、「外資系企業の活動状況から見れば、国家予算への外資系企業の貢献がまだ低いことがわかる」と指摘しています。また、多くの外資系は借地代や、法人所得税、個人所得税などに関する優遇政策を利用して移転価格を操作しているとしています。

財務省のグエン・ティ・ラン・アイン査察官によりますと、移転価格は外資系企業が脱税するための手段となっています。こうした中、財務省や、税局はその効果的な対策を研究しています。アイン女史は次のように明らかにしています。

(テープ)

「我々は移転価格防止対策を研究しながら、納税者のデータベースづくりを進めていきます。従って、貿易活動と税務に関する活動のデータベースが完備されます。これは移転価格防止対策に役立ちます。また、移転価格防止対策へ向けて、情報交換と国際協力も強化していきます。」

エコノミストらは「移転価格防止対策のために、優遇政策と優遇政策による利益の間のバランスを確保する必要がある」と提言しています。又、政府に対し、「税務に関する規定や、政策を点検し、二重体制を避けなければならない」と訴えました。

さらに、経営投資環境の改善、法整備、すその産業開発、税制の透明性の向上、人材の質的向上なども効果的な手段と見られています。それらはFDI=外国直接投資の誘致と管理、質的向上に貢献するとしています。それらの措置により、今後も外資系企業がさらに発展し、ベトナムの発展事業に貢献していくと期待されています。

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