夢は「メードインベトナムの自動車」

(VOVWORLD) - 既にお伝えしましたように、今年のベトナム独立記念日にあたった9月2日、ハイフォン市カットハイ県にあるディンブー・カットハイ工業団地で、ビンファスト(VINFAST)自動車生産工場建設プロジェクトの起工式が行われました。

これは、ビングループ(Vin Group)に属するものですが、メードインベトナムの自動車という夢を灯すものと見られています。

ビングループはこのプロジェクトに35億ドルを投資しています。ビンファストは2025年をめどに年間生産量を50万台にし、東南アジアでトップの自動車生産企業となることを目指しています。

夢は「メードインベトナムの自動車」 - ảnh 1  起工式で発言にたったフック首相(写真:vietnambiz)

起工式で、グエン・スアン・フック首相は、「ベトナムは近代的な技術の導入を進めているが、ここで、その近代的な技術が応用されている。国際社会への参入が進められている現在、生産活動にとって環境と市場は死活問題となっています。

このプロジェクトが高い効果をあげ、近いうちに、手ごろな価格と高品質といった2つの要素を両立させるメードインベトナムの自動車を誕生させることを望む」と強調しました。また、「政府と各機関はこのプロジェクトにあらゆる有利な条件を作り出す」と確認しました。

20年前、ベトナムは自動車産業発展戦略を出し、そして、多くの企業はこの分野に投資してきましたが、期待通りの結果を収めていません。こうした中、ビンファスト(VINFAST)自動車生産工場建設プロジェクトは「メードインベトナムの自動車」という夢を再燃させるものと見られています。

自動車産業の研究者であるファム・ビック・サン博士は2つの理由を次のように語りました。

(テープ)

「まず、自動車産業が拡大し、国民の収入が2000ドルないし3000ドルに増加していることです。一方、ASEAN市場での税率がまもなく0%になります。従って、市場がベトナムだけではなく、他の国々でも拡大していきます。次は、ベトナムの交通インフラが積極的に整備されていることです。重要なのは、自動車産業に関する政策と民間経済セクターの役割です。」

エコノミストらによりますと、5000万人の人口を持つ国は自動車産業を発展させなければなりません。9300万人の人口を持つベトナムにとって、その需要がさらに高まるとしています。また、ビングループは国の新しい産業の土台を作り出したと評価しています。

実際、ビンファストは「メードインベトナムの自動車」を生産するだけではなく、国内外のメーカと連携して、部品を生産し、現地調達率を60%にするという目標を掲げています。特に、自動車を輸出することも目指します。この目標達成へ向けて、同社は排気ガスなどに関する国際基準を導入する方針です。

ビンファストの誕生は消費者の関心を集めています。ハノイ市民のレー・バン・ロイさんは、「ビングループの投資により、『メードインベトナムの自動車』という夢が現実になる」との確信を示し、次のように話しています。

(テープ)

「近年、ビングループは、不動産や、観光、娯楽、医療、教育、農業のほか、新しい分野へ投資を拡大させていますね。私は、この企業の製品とサービスの質を高く評価しています。そのため、同社の自動車産業にも期待をかけます。」

近いうちに、「ビンファスト」という自動車ブランドはベトナムの消費者の馴染み深いものになるでしょう。そして、自動車産業への投資を通じて、ビングループがベトナムの重工業と製造業に貢献することが期待されています。

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