(VOVWORLD) - 現在、国営企業の株式化が積極的に進められていますが、市場経済体制に合致し、国の国際社会への参入事業の要求に応えるという方向を確保しなければならないと指摘されています。
この数年間、国営企業の再構築が市場経済体制に従って行われています。中でも、国営企業の株式化が積極的に進められています。しかし、株式化プロセスは進捗度や、効果などの面で多くの問題を示しています。こうした中、国営企業の株式化の効果向上のために新しい方法が必要とされることが指摘されています。
ドイモイ=刷新事業が始まって以来30年あまりに、国営企業の再編は数回にわたり実施されてきました。従って、国営企業の数が激減しています。1980年には、その数は1万2000社以上でしたが、2015年には620社に減少しました。
2011~2015年期における国営企業の株式化による歳入はおよそ78兆ドン(3900億円)に達しました。しかし、国営企業の株式化速度が遅いこと、その生産経営活動の効果が低いこと、多くの国営企業が複数の分野に投資して浪費と損失を引き起こしているなどが指摘されています。
これを前に、ベトナム政府は企業再編や、株式化の促進などへ向けて、具体的な措置をとっています。中でも、国営企業の資本金の管理は最も重要な問題と見られています。国営企業の資本金が1300兆ドン(約6兆5000億円)に上っている現在、その管理モデルの選択は差し迫った問題となっています。
エコノミストらは、「そのモデルは、国営企業の資本を緊密に管理しながら、企業の活動への国家の深すぎる干渉を避けるものでなければならない」としています。これに関し、エコノミストのグエン・コン・ギェップ博士は次のように語りました。
(テープ)
「企業が国家資本を管理するというモデルは市場経済の特徴に見合い、企業の経営投資活動に対する行政的な干渉を避けるものでなければなりません。企業の投資活動にマイナス影響を与える『管理機関』というモデルを撤廃する必要があります。現在、国営企業はGDP=国内総生産の30%を占めていますが、改革後、その割合が10%に低下するとき、その管理モデルはより簡単になると思います。」
国営企業の活動の効果向上や、持続可能な発展、企業の国際社会への参入の強化などはベトナム政府の目標です。その目標達成のために、企業の生産性の向上、コスト削減、労働効率の向上、トレードマークの知名度と威信の向上などは欠かせないものと見られています。
これに関し、VCCI=ベトナム商工会議所のグエン・クアン・ビン副理事長は次のように語りました。
(テープ)
「持続可能な発展を遂げる企業は、経済や、社会、環境といった3つの面で持続的に発展するものでなければなりません。まず、黒字経営を実現する必要があります。しかし、その黒字は社会福祉や、環境保護と結び付かなければなりません。持続的に発展する企業は労働や、社会、労働関係などに関する技術的ソリューションを使う必要があります。」
計画によりますと、これから2020年までには、株式化を完了しなければならない国営企業の数が249社で、また、国家が100%の資本金を所有する企業は103社しかありません。このため、国営企業の活動の効果向上は死活問題となります。
現在、国営企業の株式化が積極的に進められていますが、市場経済体制に合致し、国の国際社会への参入事業の要求に応えるという方向を確保しなければならないと指摘されています。