2011年、ベトナムの水産物輸出額はかなりの伸び率を見せ、61億1千万ドルに達しました。これにより、ベトナムは世界水産物輸出大国10カ国に入りました。しかし、発展計画が発展スピードに見合わず、潜在力が最大限に活用されていないといった問題が浮上しています。これを解決し、さらに、水産部門を持続的に発展させるため、ベトナム農業農村開発省は2020年までの水産物養殖発展総 合計画、及び2030年までのビジョンの作成を進めています。
現在、水産物は輸出、及び食品消費に重要な役割を果たしています。水産物養殖は雇用創出や住民の収入のアップに寄与するだけでなく、地元の経済発展にも原動力をもたらしています。2011年までに、全国の水産物養殖漁場の面積はおよそ100万ヘクタールに拡大されました。水面76万2千ヘクタールを擁する南部メコン川流域の各省は水産物の大産地として知られ、水産物輸出額全体の3分の2を占めています。農業農村開発省は各地方と協力し、それぞれの地方の発展計画の作成にあたっており、その中でも、経済的価値が高い水産物の養殖、地元に見合った養殖様式の開発や養殖者の多様化を促進させます。また、湖や川が恵まれた地域での養殖が集中的に行われます。ちなみに、ダクラク(Dac Lac)省は高原地帯に位置していますが、500の湖をはじめ、多くの川やダムがあります。同省水産支局の幹部グエン・バン・タオ(Nguyen Van Thao)さんは次のように語りました。
(テープ)
「今後、当支局はダクラク水産局に対し、養殖開発への投資を行うよう、省の人民委員会に提案するよう勧めます。また、当支局はいくつかの潜在力のある養殖池への投資プロジェクトの実施を人民委員会から委託されました。」
この数年、水面が水産物の養殖に活用されてきたことはダクラク省の農村の労働者に対する雇用創出や貧困解消に寄与しているとともに、水産物加工企業に豊富な原料の供給源を作り出していると見られます。こうしたモデルは他の地方の見習うべきものとなり、水産部門の持続的な発展に条件を作り出すでしょう。
ベトナムでの水産物養殖産業は、農業発展に重要な一翼を担うものとして見做されますが、養殖活動が自発的で、規模が小さいことから、いくつかの地域では環境衰退や疫病の蔓延、需給バランスが崩れた状態などが発生しています。ベトナム水産物協会のチュオン・ディン・ホア(Truong Dinh Hoa)事務局長は次のように述べました。
(テープ)
「資源の枯渇などにより、水産物養殖が収入をつくる主な仕事と見做されてきました。これにより、90年代に、ベトナムだけでなく、多くの国で水産物の養殖事業が迅速に発展していました。現在、ベトナムは世界の海老輸出国の中で、第4位に立っています。また、魚のチャの最大輸出国となり、毎年、およそ60万トンを出荷しています。ただ、水産物の養殖は質や環境問題などを招きました。これは克服すべき問題です。」
ホア事務局長はこのように述べました。
なお、ベトナムの水産部門は総合発展計画の完成に向け、食品安全衛生管理システムの導入や製品の源の調査など、一連の措置を取っています。具体的な目標や実情に見合った適切な解決策を盛り込んだ総合計画は水産物輸出企業に持続的な発展を遂げるため、有利な条件を作り出すと期待されています。