税関手続きの電子化は企業に適切な利益をもたらすことはもちろん、行政手続の改革に関する政府の要求に応えられるようになりました。ベトナム税関総局の報告によりますと、税関手続きの電子化が実施以来10ヵ月、税関部門の現代化目標が達成された上、通関手続きの短縮が図られてきました。
これまで、国内34の税関局で税関手続きの電子化が実施されました。また、税関手続きの電子化に参加している企業は4万5千人を超え、輸出入に携わっている企業全体の95%以上を占めています。ミンタイ有限会社のブ・ハイ・リン副社長は税関手続きの電子化のメリットを評価した際、「かつて、税関手続きを終えるまで大変時間がかかりましたが、現在はクリック1つで結果が分かるようになった」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「税関手続きの加入により、税関局に行かなくても、職場で税関手続きの申請を行うことができます。また、通関関係書類と商品の検査が免除されます。さらに最も大きなメリットとしては税関手続きの時間短縮とコストの節減なのです。そして、企業は自主的に税関手続きの申告と税関料の納付ができます。」
北部カオバン省の税関局
一方、ベトナム税関総局・税関手続き改革現代化局のチャン・クォク・ディン副部長は次のように述べています。
(テープ)
「税関手続きの電子化は国際基準を満たす情報技術に基づき実施され、手続きの簡素化となります。当局は税関手続きの電子化計画を作成し、傘下の各局に対し、試験的実施を指導しました。また、実施に際し発生するあらゆる問題を適宜に解決します。」
2020年までの税関発展戦略、2011年から2015年期の税関手続き改革、発展、現代化計画に基づき、来年4月1日、税関総局は通関業者・保税上屋・税関をパソコン上でオンラインでつなぎ、輸出・輸入の申告するシステム、つまりNACCS=通関情報処理システムとCIS=通関情報総合判定システムを導入します。現在の電子的通関システムは通関中と通関後の手続きに集中するものですが、NACCS(ナックス)は国際貿易における、通関及び輸入の際の関税納付などを効率的に処理することを目的に構築された税関、運輸業者、通関業者、倉庫業者航空会社、船会社、船舶代理店、金融機関等の相互を繋ぐ電子的情報通信システムとなります。また、ナックスの導入により、ワンストップ・サービスで、税関局と各省庁との連携ができるようになります。
さきほどのベトナム税関総局・税関手続き改革現代化局のチャン・クォク・ディン副部長は「日本の援助で、ベトナムのNACCS/CISシステムが構築され、税関手続きの現代化に節目を印し、国家管理効果の向上や経済、貿易の安全保障、社会秩序の確保に寄与するであろう」との見解を表明し、次のように語りました。
(テープ)
「NACCS/CISシステムの導入により、税関手続きが便利になり、所要期間が短縮されます。紙の種類が減少し、電子署名が活用されます。また、商品の分類も自動的に行われます。さらにこのシステムによる税関局と各省庁との連携で、一度の申告だけで済みます。」
今後、税関手続きの電子化の質的向上を目指し、ベトナム税関部門はインフラ整備、人材の育成、計画立案などに力を尽くす決意です。また、各企業や国家管理機関に税関手続きの電子化に関する宣伝を促進してゆく計画があります。