ベトナムの臓器移植は世界と比べ半世紀ぐらい、アジア地域諸国と比べおよそ20年程遅れたものの、現在では肩を並べる段階になりました。ベトナムは腎臓、肝臓、心臓の移植など臓器移植の基本的な技術を把握できるようになりました。これにより、臓器移植はベトナム医学の重要な成果となっています。
ベトナムで、臓器移植が始めて実施されて以来この20年、はるかに発達しており、現在全国12箇所の病院と医療施設に広がっています。
103病院
軍医学院の103病院、ベト・ドク病院、フェ中央病院などはベトナム初の脳死状態からの同時複数臓器移植に成功しました。103病院の医師らは1992年6月にベトナム初の腎移植に成功しました。それに続いて、2004年1月に肝移植、2010年6月に心臓移植に成功しました。これらの臓器移植の成功は、末期臓器不全の患者の治療に展望を切り開くとともに、他の専門的医学の発展に寄与しています。それだけでなく、103病院は骨髄移植以前では、1件の臓器移植は普段半日ほどかかりましたが、現在では2時間から2時間半しかかかりません。また、移植の成功率はかなり高い水準です。103病院のレ・チュン・ハイ副院長は「現在、腎移植は当病院の日常的になるだろう」と明らかにしました。この19年間に、70件あまりの臓器移植が103病院で行われました。その内の19件はこの10ヶ月以内に実施されました。
ベトナム国立小児病院
世界的にも複雑な手術の一つである小児への総胆管嚢腫の内視鏡手術にとっても、ベトナム国立小児病院は500人の総胆管嚢腫患者への手術に成功しました。これらの患者の最年少は2ヶ月でした。これまでに、先進諸国からの教授、医師がベトナムへこの手術技術を学んできました。ベトナム国立小児病院のグェン・タン・リエム院長は次のように語っています。
(テープ)
「総胆管嚢腫の内視鏡手術は大血管を破りやすいので、危険で複雑な手術の一つです。世界各国が適用している手術技術を導入するとともに、私達は、もう一つの技術を改新しました。それは、総肝管と十二脂腸を結ぶという手術です。こうした技術で手術時間は短縮されますが、従来の技術と比べ同じ効果が出ています。」
リエム院長はこのように語りました。
ベト・ドク病院
現在、臓器移植はベトナム国内にある幾つかの外科センターでは決まりきった事として行われるようになりました。ベト・ドク病院のグェン・テェン・クェット院長は次のように語っています。(テープ)
「首都ハノイ、中部フェ市、南部ホーチミン市などの大きな外科センターの幹部、医師らは肝臓、腎臓、心臓の移植を普通に行うことが出来ます。現在、ベト・ドク病院は肺移植、髄移植をも行っています。技術的な面ではベトナムは世界に負けていません。」
クェット院長はこのように語りました。
ベトナム医学の発達は患者の生命を救い、生活の質の向上に寄与しています。グェン・キム・テェン保険大臣は次のように語りました。(テープ)
「科学技術への投資は医療部門の優先的な戦略の一つです。ベトナム保健省は医療人材の開発への投資を行ってきました。特に、医療部門の人材開発プロジェクトには専門医の開発が盛り込まれています。」
テェン大臣はこのように語りました。
なお、これまで、ベトナム国内では、12の病院で腎移植、4つの病院が肝移植を行っています。さらに、幾つかの病院が現在髄移植の研究中となっています。