この十年間、中部高原地帯テー・グエン地方のザ・ライ省で貧困状態から脱出した世帯の割合は年平均3%から4%に達しています。これは各貧困世帯の努力により達成された成果ですが、地方行政府や社会組織の援助によるところが小さくありません。その中には同省の社会政策銀行の優遇政策があります。
ザ・ライ省イア・グライ県タイン・ハー村に住むチャン・タインさん夫婦はこの地に入植して、生計を立てて以来、長い歳月が経ちましたが、いまだ困難な状況にあります。2000年にタインさんの家庭は貧困者向け銀行から500万ドン(約2万3千円相当)の低金利の融資を受け、子牛やコーヒーの栽培に必要な肥料の購入に充ました。また、この10年間、タインさんは5回にわたり、融資を受け、鶏の飼育で家庭経済の発展に取り組み、生活改善を図ってきました。ちなみに、2012年、彼は2千万ドン、約9万2千円の融資をおよそ3千羽の鶏の飼育に使った結果、6千万ドン、約28万円の収益をあげました。タインさんは次のように話しています。
(テープ)
「ここに来て生計を立てた当時、生活はとても大変でした。でも社会政策銀行の貸し出しを受けたお陰で、家計は発展しました。飼育やコーヒーの栽培に投資することができました。今、私たちは貧困状態から脱け出し、安定した生活を送っています。」
タインさんはこのように話しました。
タインさんだけでなく、タイン・ハー村のおよそ240世帯はいずれも社会政策銀行からの融資を受けています。融資担当者のタン・ティ・ミン・イットさんは「この融資により、およそ90世帯が貧困から脱出した。今、貧困世帯の数は7戸に減った」と明らかにし、次のように語りました。(テープ)
「50世帯を集めて、科学技術やコーヒーの木に肥料をやる方法などについて話し合います。一方、各世帯に対し、融資を受ける際に、銀行の規定を守り、期限通りに返済するよう求めます。また、自然災害による被害を受けた世帯には借金の返済を援助します。」 イットさんはこのように語りました。
社会政策銀行のイア・グライ県事務所のファム・ティ・ドゥオン所長は「農繁期などを前に、資金を必要とする全ての貧困世帯に融資を提供する」と明らかにし、次のように述べました。
「私たちの傘下には融資組織があります。当銀行は各社会団体や組織を通じて、貧困世帯に資金を提供するのです。また、住民たちが資金を効果的に使用するように、農・林業奨励プログラムを行っています。」
ドゥオン所長はこのように述べました。
これまで、ザ・ライ省の社会政策銀行が提供した2兆4千億ベトナムドン、約110億円の融資のうち、9900億ドン、約46億円は貧困下にある8万2100世帯に充てられました。この銀行のレ・バン・チ総裁は次のように語りました。(テープ)
「当行は貧困世帯を周到に点検し、100%の貧困世帯が生産発展のため融資を受けられるよう確保します。現在、ザ・ライ省で貧困ラインに近い世帯数は1万9千戸あります。今後、ベトナム社会政策銀行の決定が発表されてから、私たちは融資政策を効果的に実施し、地元の貧困解消に寄与するよう尽くします。」
チ総裁はこのように語りました。
この10年間、ザ・ライ省の6万7300世帯は貧困からの脱出が図られてきました。これは国家の一連の優遇政策や貧困解消計画への投資促進によって収められた成果です。その中で社会政策銀行は貧困世帯の重要な支えとなっています。