2年にわたり、8ラウンドの正式交渉と8ラウンドの首席代表交渉を経て、先頃、ハノイでベトナムと韓国のFTA=自由貿易協定が調印されました。韓国の市場開放の公約を受け、ベトナム企業は大きな利益を得るであろうと期待されています。
5月5日、ハノイで越韓のFTAが調印された
ベトナムと韓国との自由貿易協定はベトナムの経済、貿易、投資、社会にプラス影響を与えるとしています。具体的には、韓国は農・林・水産物や繊維製品、機器製品などをはじめ、ベトナムからの輸入品の95.4%の品目に優遇税制を与えることになります。これはベトナムのエビやニンニク、ショウガ、蜂蜜などの代表的な輸出品に競争力をつけるとみられます。一方で、ベトナムは韓国からの繊維製品の原材料、電子部品、自動車、家電、鉄鋼、送電線などの輸入品目89・2%に関税を引き下げます。これにより、ベトナム経済のいくつかの国への依存度が低下するとしています。商工省のブ・フイ・ホアン大臣は次のように語りました。
(テープ)
「この協定の締結により、今後、農・水産物や加工品など、ベトナムの有力輸出品目の韓国輸出が急増すると予測されています。一方で、製造産業や電子産業、紡績縫製産業の原材料などをはじめ、韓国からの輸入品も激増するでしょう。」
このように語ったホアン大臣はFTAの締結に際し、ベトナムと韓国は経済、貿易、投資分野での協力関係の強化措置について協議しました。韓国はベトナムの裾野産業の発展を支援すると公約しました。また、水産物や青果の韓国への輸出に有利な条件を作り出すと表明しました。FTAの締結から利益を得られるのはベトナムの農業、農民、農村部、紡績縫製部門、革靴部門であるとみられます。
現在、韓国はベトナム繊維製品の大きな輸出市場であり、輸出額の10%あまりを占めています。韓国向けのベトナムの繊維製品の輸出額は水産物に次いで第2位に立っています。一方、韓国は中国に次いで、ベトナムの貿易縫製部門に原材料のおよそ20%を供給しています。これにより、この協定はベトナムの紡績縫製部門に大きな利益をもたらすと予測されています。実際、ASEAN・韓国自由貿易協定が2009年、発効して以来ベトナムの農業生産部門、水産部門、紡績縫製部門は多く
の利益を手にしてきました。それに加え、ベトナム・韓国自由貿易協定はベトナム企業に試練よりチャンスをもたらすと評されています。商工省のチャン・クォック・カイン副大臣は次のような見解を述べました。
(テープ)
「我が国の企業はチャンスを生かすため、しっかりとした準備を行ないました。ASEAN・韓国貿易協定が締結される前、ベトナムの輸出額は年平均16%増えましたが、ベトナムと韓国との自由貿易協定が締結されてから、この数字は38%となると予測されています。また、韓国との輸出・輸入の比重は1-5から1-3に低下することになります。もちろん、輸入超過は存在するものの、迅速な輸出の成長により、輸入超過の引き下げと韓国との輸出入バランスが図られると期待しています。」
ベトナムと韓国のFTA締結は濃く在社界への主体的参入戦略に向けての具体的な一歩です。また、これは企業の再構築、工業化現代化事業の加速にも寄与すると見られます。さらに、この協定はベトナムと韓国の戦略的パートナー関係の安定的かつ長期的な発展ひいては、地域の平和、安定の維持にも貢献するとしています。