輸出促進に向けてのロジスティックス・サービスの発展
ロジスティックス・サービスは、国の経済社会の発展や、各地方の交通結合に重要な役割を果たしています。ベトナムのロジスティックス・サービスは弱点を見せながらも、発展を遂げており、輸出入企業に、コストの削減や外国企業との競争の強化に寄与するとしています。
現在、ベトナムでは外資系企業を含め、1300社あまりがロジスティックス・サービスを営んでいます。このサービスから得る収益は、年平均200億ドルから220億ドルに達し、GDP=国内総生産のおよそ21%を占めています。
毎年、世界経済フォーラムが発表する世界競争力報告によりますとベトナムは道路や港湾の質が悪いことから、地域諸国より、下位にあります。また、WB=世界銀行のランキングではベトナムのロジスティックス分野は世界160カ国の中で64位、東南アジア諸国の中でシンガポール、マレーシア、タイに次いで4位に立っているということです。ベトナムのロジスティックス分野が発達しない理由として同分野に携わる企業のほとんどが中小規模で、連携が弱いことから、競争力が高くないことなどがあげられました。一方で、ベトナムで事業を行なっている外資系企業は大手で、世界的な規模で連携をとり、ロジスティックス市場で圧倒的なシェアを持っています。
ベトナム民間経済フォーラムのチャン・アイン・ブオン理事長は次のように語りました。
(テープ)
「我々の輸送量は他の国と比べ、少ないため、ロジスティックスのコストが割高となるのは当然です。イギリスではロジスティックス・サービスのコストはおよそ4万ドルにとどまりますが、ベトナムの場合は14万ドルにのぼっています。また、高いコストはロジスティックス・サービスの弱点を見せると思います。」
一方、商工省・輸出入局のチャン・タイン・ハイ副局長は「ベトナムはロジスティックスを新たな発展段階に押し上げる条件が整っている。製品の輸出入が活発に行なわれ、その金額は年平均3千億ドルを超えるからである」との見解を示しました。ロジスティックス・サービスが改善されれば輸出分野に拍車をかけるであろうとしています。こうした事情を踏まえ、今後、商工省はロジスティックスの質的向上を目指して、具体的な行動計画をとる方針です。
チャン・タイン・ハイ氏は次のように明らかにしています。
(テープ)
「ロジスティックスに対する国家管理体制は完備されると同時にロジスティックス分野の発展を目指す支援政策が作成されます。一方でロジスティックスに携わる企業が法律に則って活動するよう手解きする法的枠組が制定される予定です。さらに、道路、橋梁、港湾、倉庫など、交通運輸分野のインフラが重要なものです。」
先頃、政府は2025年までのロジスティックス・サービスの競争力向上と発展に関する行動計画を採択しました。その中で、ロジスティックス分野のGDPへの貢献度を年平均8%~10%、成長率を15%~20%にすることやそのコストはGDPの16%~20%に引き下げること、ロジスティックスに関する国家競争力ランキングは50位内にするという目標が盛り込まれています。また、各省庁、機関、地方に60の任務が委託され、完成期限が定められました。
ベトナムのロジスティックス企業協会のレ・ズイ・ヒエップ会長は次のように語りました。
(テープ)
「政府の決定200号の発表に伴い、政府、各省庁、地方行政当局はロジスティックス企業の事業に有利な条件を作り出すよう希望します。また、国家はサービス価格やコストの設定などに干渉すると同時にロジスティックス企業に対し、銀行との金利交渉や低金利融資を受けられるよう、条件を作り出さなければなりません。」
ベトナムのロジスティックス企業は目標を立てて実現させるため、サービスの質的向上や顧客の需要の多様化、輸送手段の開発に力を入れています。一方で、政府はロジスティックス分野への投資誘致や政策の充実、外国のパートナーとの協力の強化に取り組んでおり、ベトナムと近隣諸国を結ぶロジスティックス・ネットワークの拡大を目指しています。