ベトナムの農村電気化プログラムはこの15年にわたり実施されてきましたが、様々な成果を収めてきました。2013年末現在、農村部に住む農家の98%が電気が引かれました。これにより、農民の生活が一段と改善され、農村部は大きな変貌を見せています。
山岳地帯での電気敷設の新設や拡張が積極的に進められている
農村電気化プログラムにおいて、農村部や、遠隔地、山岳地帯での電気敷設の新設、修繕、拡張作業は最も大きな成果を収め、国際社会から好評を受けています。電気化は農村部の経済社会発展、少数民族居住地での生産構造転換や、農業生産発展、手工業の促進などに大きく寄与しています。
また、農業のインフラ整備や、交通、水利、教育、医療、通商などの分野にも積極的な影響を与えています。特に、これは農家や、少数民族の人々の精神生活の改善にも貢献しています。2013年の農業生産高は1998年と比べ6・6倍増、加工業は3・5倍増、1人当たりの平均収入は8倍増となりましたが、これらの数字は電気化プログラムの効果を示すものと言えます。
中部ハティン省人民委員会のボ・キム・ク(Vo Kim Cu)委員長はによりますと、この15年間、電気化プログラムは地元住民に多大な利益をもたらしています。これまで、省内の村の100%は電気が引かれたということです。
ク委員長の話をお聞き下さい。
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「電化により、経済再構築事業や、経済構造の転換が迅速に進められています。具体的には、2013年までに、工業や、建設業、サービス業は省内の経済構造の82%を占めており、農業の割合は18%に低下しました。特に、農業生産の質が一段と高まっています。というのは、電気により、生産コストを削減できるからです。また、農産物加工業や、水産物養殖・加工も好転しています」
エコノミストらによりますと、これまで、農村電気化プログラムは国の経済社会発展事業に大きく寄与しています。特に、農村部だけでなく、離島も電気が引かれています。中でも、コト(Co To)島の島民1600人向けの電気敷設プログラムがあります。
これは、経済社会面だけでなく、国防、安全保障、領土保全事業にも寄与するものと見られています。現在も、離島に電気を引く作業が積極的に進められています。
国会民族評議会のザイン・ウット(Danh Ut)副議長は「電気化プログラムは中部高原地帯テイグエン地方や、遠隔地、離島の変貌に繋がっている」と評価し、次のように語りました。
(テープ)
「これらの地方は大きな潜在力があります。このため、今後も電気化を促進する必要があります。電気化は農業生産の近代化や、コストダウン、水産物の養殖と輸出の発展などに繋がるからです」
しかし、未解決問題もまだあることも指摘されています。具体的には、これまでも電気網がまだない村の数が91、電気をまだ使用できない農家の数は55万世帯で、なかなか高い水準にあるということです。こうした中、EVN=ベトナム電力グループは2020年をめどにこれらの村に電気を引く目標を設定しています。
EVNのホアン・クオク・ブオン(Hoang Quoc Vuong)会長は次のように明らかにしています。
(テープ)
「今後、EVNは農村部の電気網の完備を進めていきます。その目的はサービスの質的向上です。また、農村電気網の管理、運営方式も多様化させます。これは設定された目標の達成を目指す措置です」
2020年をめどに農村電気化プログラムを完成するために、政府は各国のODA=政府開発援助を電力部門のインフラ整備や発展に使用する方針も打ち出しました。今後もこのプログラムが促進され、農民の生活改善などに引き続き寄与していくことが期待されています。