現在、ベトナムの農業部門はGDP=国内総生産への貢献度は20%を超え、輸出総額の25%を占めています。現在、人口のおよそ65%が農村部に住んでおり、農業に従事している人口の割合は5割となっています。2013年、ベトナムの農業生産は農産物の輸出市場の縮小、輸出価格の低下などの理由で困難状況に陥っていました。こうした事情を前に効果向上と持続的発展に向けての農業再構築を進めなければならないとしています。
写真:danviet.vn
2013年12月末、寒い日々が続いたにも関わらず、北部フンイエン省バンザン県のメソ村とリエンギア村の農民たちは早朝から畑に赴き、近づく旧正月テト用の金柑の手入れをしました。2つの村のほとんどの世帯が金柑栽培を営んでいます。付加価値のある金柑の園をつくるためには何回も栽培作物を変化させてきました。メソ村の住民グエン・コン・ホアンさんは次のように明らかにしています。
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「この前まで、我が家は一年間のうち、稲の一期作と農産物をやっていましたが、経済的価値は低かった。その後、金柑栽培に転作しました。今年、800本あまりを育て、その内すでに400本の予約があります。その代金はザッと1億2千万ドンとなります。」
稲から花や盆栽など経済価値の高い作物に転作することで首都ハノイのソクソン県やメリン県、中部高原地帯ダラット市、南部ホーチミン市郊外、ティエンザン省、ビンロン省などの農民は収入の向上はもちろん、富を手にすることも図られています。しかし、これまで、農業生産高の向上が重視されてきましたが、高品質で経済価値の高い商品づくりを目指す農業発展と加工業との連携には配慮されていません。2013年、ベトナムのコメやコショウ、コーヒーなどの輸出量は世界1位となっていますが、輸出価格はいくつかの国々を下回っています。こうした中、付加価値が高く、国家的商標を付けられる輸出用農産物の生産を目指す農業再構築は重要な課題となっています。農業農村開発省のカオ・ドク・フアット大臣は次のように語りました。
(テープ)
「生産高の向上を重視する農業から質的向上に集中させる農業の発展にシフトする時が来ました。また、農民の収入を向上させるため、付加価値の向上に力を入れる必要があると思います。これは首相が承認した付加価値の向上と持続的な発展に向けての農業再構築計画に明記されました。」
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農業再構築計画は集約栽培地域や農産物加工施設ラインをつくり、生産と輸出の付加価値の向上を目的としています。また、同計画によりますと、ベトナムはコメやコーヒー、チャという魚など主力の輸出品目を促進させるとともに栽培作物の変化、先進的な科学技術の導入を重視するとしています。さらに、農業再構築総合計画には経済再構築に関する政策の充実と成長モデルの刷新との連携が柱に位置づけられています。農業農村開発省・農業発展政策戦略研究院のボ・チョン・ビン副院長は次のように語りました。
(テープ)
「再構築の方向を明確に定めなければなりません。これらを実施するためには、それぞれの政策に改革はどのような問題であるかが指摘されなければなりません。」
農業再構築には今後、付加価値の向上と持続的な発展が促進されるとともに、2011年から2015年期に農業分野の伸び率を年平均2・6%から3%、2016年から2020年期には3・5%から4%にするという目標が掲げられています。これらの計画を成功させることは農村部の住民の収入と生活水準の向上、貧困率の減少、食糧安全保障の確保に寄与するとみられます。