今年、ベトナム政府は経済再構築と安定的かつ持続的な発展に向けての成長モデルの移行を集中的に実施する方針を固めました。その中で、農業分野の再構築は重要な解決策の一つに位置づけられ、世界経済への参入が進んでいる現在、ベトナムの農産物の生産能力と競争力の向上を狙っています。
ベトナムの農業部門は経済成長、とりわけ輸出の発展に重要な役割を果たしています。現在、ベトナムは世界米輸出大国の中で一位の座に輝いています。昨年、ベトナム農産物8品目の輸出額は10億ドルを超え、農産物輸出超過額は106億ドルを突破しました。これは経済が停滞している背景の中で印象的な数字であるといえます。しかし、農産物の輸出量は増加しているものの、製品価値は高くなっていません。この問題を解決するためには、工業とサービス業のバックアップにより、農業を発展させ、農業再構築を政府の経済再構築と連携させ、進める必要があるとしています。農業再構築には公的投資の刷新、公的投資の使用・管理効果の向上、国営企業の再編、農業再構築へのあらゆる財源の調達が含まれています。農業農村開発省のカオ・ドク・ファット大臣は次のように語りました。(テープ)
「政府と国会は5年ごとに農業、農民、農村に対する国家予算からの投資を倍増させる方針を堅持しています。また、農業・農村発展目標を達成するため、国内外の民間企業をはじめ、同分野へのあらゆる経済セクターの投資の誘致を目指す様々な措置を取っています。」
ファット大臣はこのように語りました。
現在、農業再構築は機械化の促進、労働力や収穫後の損失の軽減、農産物の商標づくりを中核としています。北部バク・ザン省、タン・イエン県、ラム・コット村で「高収益を生む田んぼ」というモデルケースが実施しており、農業分野への投資再構築を目指す社会資本の調達に効を奏しているものと評されています。ラム・コット村人民委員会のズオン・アイン・トゥアン副委員長は次のように話しました。(テープ)
「冬期のジャガイモ栽培と大きな田んぼづくりを進めるため、行政は梃入れ政策を実施する傍ら、各農家に種子、肥料を提供し、技術指導などを行うとともに、資金を援助します。この援助は村の予算に計上されます。また、購入企業と契約を結び、製品を買い入れます。」
トゥアン副委員長はこのように話しました。
ラム・コット村で実施されているこのモデルは農産物の生産能力の向上を目指す民間企業と農民による連携の成功を見せました。それぞれの地方は土地の使用効果と生産能力の向上を目指し、独特の投資誘致政策と企業との連携を実施しています。農業農村開発省のカオ・ドク・ファット大臣は次のように述べました。(テープ)
「農業・農村への民間経済セクターの投資の誘致に際し、企業の持続的な発展に有利な環境を作り出すのは重要な課題となっています。これは政策の改正、行政手続の改革、インフラ整備、公的サービスの発展につながると思います。」
ファット大臣はこのように述べました。
今後、農業部門の再構築では水産物養殖と飼育の現代化を重視する必要があります。また、経済的価値が高い工業用植物の開発も進められなければなりません。更に、林業経済の発展に力を入れる必要があるとしています。これを実現するため、農業農村開発省は実状に見合った生産モデルづくりを主張しています。