現在、ベトナムの農産物輸出額は174億ドルを超え、昨年同期と比べおよそ12%増となっています。今後、TPP=環太平洋経済連携協定やEU=欧州連合との自由貿易協定の締結により、農産物の輸出市場の拡大や安定で持続的な発展が図られると予測されています。
これまで、コーヒーや胡椒、カシューナッツ、水産物、木工製品などの輸出量、輸出金額とも増加の傾向にあります。一方、野菜と果物は欧州連合、アメリカ、日本、韓国など、厳しい市場へ出荷されてきました。
ちなみに、ザボンやドラゴンフルーツは40の国と地域に輸出されており、2013年におけるドラゴンフルーツの輸出量は32万6千トン、額にして2億ドルを超えました。また、今年初めからの7ヶ月に、ドラゴンフルーツの輸出額は昨年同期比、16%増となっています。農業農村開発省に属する野菜・花・果物輸出市場開発指導委員会のグエン・スアン・ホン副委員長は輸出市場の拡大を目指し、各企業は農産物の質と価値の向上を通じて、従来からの輸出市場の維持と発展やアプローチ方法の変更に力を入れる必要があるとの見解を示し、次のように語りました。
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「各企業は農産物の加工技術に投資を強化しなければなりません。例えば、国内のタピオカ残渣からバイオエタノールを製造したり、ウッドチップで木工製品を生産したりすることなどです。」
これまで、先進的な加工技術の導入や貿易振興が促進されてきたことで、新しい輸出市場の開拓が成功しました。その中で、中東やアフリカへの輸出が有望だと予想されています。農業農村開発戦略・政策研究院のダン・キム・ソン院長は「各企業は1つだけの市場への依存によるリスクを回避するように新しい市場の開拓を主導的に進める必要がある」と強調し、次のように述べました。
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「市場を確保するためには市場の構造を把握しなければなりません。つまり、購買力や消費網などを見極める必要があります。」
農業農村開発省のハ・コン・トゥアン次官によりますと、現在、同省は関係各機関に対し、市場を点検すると同時に各省庁、協会、企業と連携して企業の困難解決にあたるよう要求しました。また、トゥアン次官は「農業農村開発省は各企業に対し、生産規模を適切に調整できるよう、市場の状況に関する最新情報を提供する」と明らかにし、次のように語りました。
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「今後、農業農村開発省は国家管理作業に集中する一方で、企業の困難解決や農産物輸出企業の再構築に力を入れ続けます。また、今年、農産物輸出の伸び率を3%にするよう取り組んでいます。」
この数年、農・林・水産物輸出額は国内各地の輸出額全体のおよそ20%を占めています。今後、輸出市場の拡大を目指し、農業農村開発省は農業製品の質と競争力の向上、企業の再編などを進める方針です。一方、食品安全衛生の確保や農業物資の管理を重要な任務に位置づけます。これにより、農産物の商標づくりや国際市場での地位向上が図られることでしょう。