8日から、ロシア中部のウファで、中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカでつくるBRICSとSCO=上海協力機構首脳会議が行われています。現在、ロシアは、BRICSとSCOの議長国を務めています。ロシアと欧米諸国との関係の緊張が続いている背景の中で、今回の首脳会議はロシアにとって重要な意義を持つとされています。
BRICSとSCO加盟20カ国の首脳らはこのサミットに出席し、経済、政治関係の強化策、全面的発展計画の立案、外貨準備などについて集中的に討議します。
特に、ロシアの提案により2006年に設立されたBRICSは重要な役割を果たしており、世界の経済と政治に大きな影響を及ぼすものと見られています。
BRICSの発展
BRICsはかつての新興工業経済地域や、ASEAN=東南アジア諸国連合と同様、経済成長が目覚しく、またそれらの国々のGDPや貿易額が世界に占める割合は近年急速に高まっています。具体的には、BRICSは、面積が全世界の26%、人口が42%、GDP=地域内総生産が27%を占めています。
特に、世界経済に多大な影響を与えるものになっています。広大な土地・豊富な人材・豊富な資源をもつのに加え、この数十年で様々な改革を進めてきたことにより、多くの結果を収めてきました。エコノミストらによりますと、BRICSの経済規模は、2025年にG7=先進7カ国の約半分の大きさに、2040年頃には先進国を上回り、2050年にBRICsがG7の1.5倍の規模になると予測しています。
ロシアのけん引役
ロシアはBRICSの発展事業において、機関車としての役割を果たしています。BRICSの議長国となってから、ロシアは様々なイニシアチブを出し、BRICSの地位向上に貢献してきました。こうした中、今回のサミットは様々な問題を討議し、BRICSの影響力の拡大を図ります。
サミットは2日間の日程で行われ、9日に首脳宣言と2020年までの「経済パートナーシップ戦略」などを採択する予定です。そして、10日にはSCOの首脳会議が開かれます。プーチン大統領は、中国とロシアが主導するBRICSとSCOという二つの国際会議を一 度に開き、国際政治・経済体制の軸を欧米主導から中露など新興国に移すことを印象付けます。
中露主導の世界秩序の再構築には懐疑的な見方もありますが、ロシア大統領のコビャコフ顧問は7日、「BRICSは世界の人口の42%を代表している。SCOにはシリアやエジプト、カンボジアなどもオブザーバー参加を希望している」と述べ、求心力をアピールしました。
こうした中、アナリストらは、「中国とロシアが主導するBRICSとSCOは今後も迅速に発展し、影響力を拡大させていく」との見方を示しています。