IS資金源の遮断・重要なテロ防止戦略

過激派組織「イスラム国」(IS)をはじめ、イスラム教過激組織やテロ組織との戦いは進められており、多くの国が参加しています。ISの空爆の傍ら、その資金源を断つことは重要なテロ防止対策とされています。

ISは武器や人身、麻薬の密輸・密売、人質の誘拐、占拠地で取れる原油の販売、また、銀行口座からの資金の不正引き出しなどから大きな財源を手にしています。2015年のISの予算はおよそ20億ドルにのぼると概算されました。これにより、ISは広大な地域を占拠し、世界の大きな脅威となっています。

強い経済能力を持つ残虐な組織

これまで、ISが行なってきた自爆テロや人質の誘拐、殺害事件は他のイスラム教過激組織より非常な残虐性を示し、世界の安全保障を脅かしています。イラクとシリアでの8ヵ所の油田で毎日、およそ30から40バレルの原油を開発、販売することからISは100万ドル~200万ドルを得ている一方で、様々な個人や組織からも援助を受けています。そのほか、人質の身代金や占拠地の住民に課す税金も重要な収入源です。


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ISの油田、アメリカ軍の空爆を受けた


実際、2001年、アメリカで9.11同時テロ多発発生後、国際社会はテロ組織の資金源の遮断を検討しました。各国は国連安全保障理事会決議の実施をはじめ、財政情報の交換や銀行システムの障壁づくりなど、様々な措置を取ってきましたが、成功につながりません。

テロの資金源を断つ世界的戦略作り

去る16日、ロシアのプーチン大統領はテロ問題が中心議題となった主要20カ国・地域(G20)首脳会議後の記者会見で、ISに資金提供している国がG20の加盟国を含めて40カ国に上るという見方を示しました。

サウジアラビア、カタール、クウェート、イスラエルなど親・米戦争屋国家に加えて、日本やトルコ国家が直接支援しているというよりは、ISの資金源とされる原油販売に関係している組織や、ISの主張に共鳴する支援者がいるとされるシリアの周辺国を念頭に置いているとみられます。

さらにプーチン氏は、ISによる原油の販売について、ロシアの偵察衛星が撮影した画像をG20の会議の場で示した上で、どのような規模で行われているかを説明したということです。

ISの資金源を断つために国際的な協力が不可欠だと訴えると同時に、ロシアが行っている空爆についてもその一環として位置づける狙いとみられます。

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