1・ COP21が世界196カ国・地域が温室効果ガス削減を約束する「パリ協定」を採択
COP21=国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議は12月12日、2週間の交渉を終え、世界の気温上昇を2度未満に抑えるための取り組みに合意し、パリ協定を採択しました。
世界196カ国の国・地域がすべて、温室効果ガス削減を約束するのは初めてのことです。2020年以降の温暖化対策の法的枠組みとなる協定の一部には法的拘束力があり、一部は自主的な行動目標となります。
2・ 12月31日、ASEAN共同体が誕生
2015年11月22日、マレーシアの首都クアラルンプールで、ASEAN諸国の首脳らはASEAN共同体の設立に関する宣言を採択しました。この日は、ASEANの新しい発展段階を切り開く歴史的な日となります。
これにより、ASEANはEU=欧州連合、AU=アフリカ連合に次いで、世界第3の地域組織となります。ASEANの総括的な目標は、ASEAN憲章を基礎に、世界の各国や、地域、組織との協力を強化する加盟諸国の政府間協力組織を形成することです。
3・ 国際社会が中国がベトナムのチュオンサ群島で人工島を不法に建設することに懸念を表明
今年、ベトナム東部海域いわゆる南シナ海での領海紛争は多くの国際フォーラムの主要議題となっています。国際世論は、この海域での中国の岩礁埋め立てや、人工島建設に深い懸念を示しています。
(写真:EPA)
多くの国は、「これは、地域の安全保障、航行・航海の自由を脅かすものである」と指摘した上で、中国に対し、この行動を直ちに中止するよう要求しています。
4・ 欧州の難民危機
EU=欧州諸国での難民問題は1940年以来最悪の人道的危機と見られています。UNHCR=国連難民高等弁務官事務所とIOM=国際移住機関が22日に発表した最新統計によりますと、今年、欧州に渡った移民・難民の数は100万人を超えました。
シリアでの国連の難民キャンプ(写真:motthegioi)
UNHCRは、「戦争・紛争により避難を余儀なくされた人の数は、1990年代以降最高となっている」と指摘しています。こうした人々の約半数が、シリアの内戦を逃れた同国出身者でした。
5・ ISによるテロ攻撃が多発
今年、イスラム過激は組織IS=イスラム国は、多くの国でテロ攻撃を行いました。その中で、パリ同時多発テロ事件は最悪で、これにより、129人が死亡300人以上が負傷しました。ロシアもISの標的となっています。
ISの戦闘員(写真:Vnexpress)
10月31日にエジプトのシナイ半島で発生したロシア航空機墜落事件はその証です。この事件で、224人が死亡しました。また、アメリカも例外ではありません。カリフォルニアで発生したISとの関係のある夫婦による乱射事件は14人の命を奪いました。
6・ ロシアがシリアに軍事介入
ロシア上院は9月30日、プーチン大統領の要請を受けた外国での軍事力行使を承認しました。これはロシア軍のシリア軍事介入に道を開くものとなりました。
シリア空爆を行うロシア戦闘機(写真:baogiaothong)
シリアでの軍事活動は空爆に限定され、アサド政権の求めに応じたものになるということでした。しかし、この決定は、ロシアと幾つかの国との関係の緊張に繋がりました。特に、トルコはロシアの軍用機が同国の領空を侵犯したとして、その軍用機を撃墜しました。
7・ イラン核問題に関する合意達成
イランの核開発問題で、同国と国連安全保障理事会常任理事国にドイツを加えた6カ国が7月14日、問題解決のための「包括的共同行動計画」で最終合意を結びました。
イランは今後10年以上にわたり核開発を大幅に制限し、軍事施設に対する査察も条件付きで受け入れます。イランの核武装阻止を目指してきた国際社会にとって、歴史的な合意とみられています。
8・ TPP交渉が完了
10月上旬、TPP=環太平洋経済連携協定交渉に参加する12カ国は大筋合意に達しました。これにより、世界経済全体のおよそ40%と貿易額の30%を占め、およそ8億人の人口を持つ世界最大の自由貿易地域が形成されます。
歴史的なTPPの合意は、ベトナムを含む交渉参加12カ国の成長や安定に繋がると期待されています。
9・ 多くの国が対ナチス・ドイツ戦勝70周年を記念
今年、多くの国が、対ナチス・ドイツ戦勝70周年を記念する式典を行いました。5月9日、ロシアで、記念式典と大規模な軍事パレードが行われ、プーチン大統領をはじめ、ベトナム、中国、インド、ドイツなど、27カ国の元首や国際組織の指導者、復員軍人多数が参列しました。
その戦勝は全人類に新しい発展段階を切り開いたものだと評価されています。
10・ 中国が人民元を切り下げ
8月、中国人民銀行は2%近い人民元の切り下げに踏み切りました。その後13日まで3日連続で切り下げました。世界最大の貿易黒字国である、中国の為替レート切り下げの影響は小さくはありません。
人民元が切り下げられたことで、アジア諸国などの通貨は弱含みになると懸念されています。それは、結果的に通貨の切り下げ競争につながる可能性が高くなります。他方、11月30日、IMF=国際通貨基金が人民元をSDR=特別引出権の構成通貨として採用すると正式に決定しました。