(VOVWORLD) - 69年前の1954年、ベトナムの軍隊と国民は歴史的な出来事となったディエンビエンフー作戦の勝利を勝ち取りました。ディエンビエンフー作戦は20世紀における最も偉大な作戦の一つとされています。
この作戦の勝利により、フランス植民地主義者はインドシナ休戦と平和回復に関するジュネーブ協定に調印せざるを得ませんでした。また、この勝利は1975年のベトナム国家統一の前提を作り出したとされています。ディエンビエンフー作戦はベトナム北部山岳地帯ディエンビエン省の前身であるライチャウ省、ムオンタイン渓谷で行われた第1次インドシナ戦争の最も大規模な戦いでした。
ディエンビエンフー作戦・民族解放事業の重要な節目
ディエンビエンフー作戦の歴史的な意義について、ホーチミン主席は「これは歴史の輝かしい黄金の節目となった」と評価する一方、ボーグエン・ザップ将軍は「伝説だと思われたことを事実として実行した」と強調しました。この勝利をきっかけに、インドシナにおける戦争の終結と平和の回復に関するジュネーブ協定が締結され、ベトナム、ラオス、カンボジアの独立が承認されるとともに、ベトナムは北緯17度線を暫定の軍事境界線とし、ベトナム北部は完全に解放され、社会主義建設への過渡期に入りました。また、ディエンビエンフー作戦の勝利はベトナムの歴史の重要な節目となっただけでなく、世界の局面の変化にも寄与し、植民地や属国の民族独立を勝ち取るための闘争に道を切り開いたと評価されました。1954年から1964年にかけて、フランスの22の植民地の中で17の植民地は独立を勝ち取りました。
ベトナム・フランス関係の新たな一ページ
ディエンビエンフー作戦の勝利から19年後の1973年4月12日、フランスはベトナムと外交関係を結んだ欧州諸国の最初の国の 1 つとなりました。1980年代末に、フランスは主要債権国22カ国で構成されるパリクラブの加盟国である債権国との債務整理でベトナムを支援しました。1993年に、フランソワ・ミッテラン氏はフランスの大統領としてはじめてベトナムを訪問し、ベトナムとの関係をはじめ、東南アジアやアジア太平洋政策における重要な転換点となりました。
また、2013年、外交関係樹立40周年にあたり、ベトナムとフランスは戦略的パートナーシップの確立に関する共同声明に調印しました。以来、両国関係は絶えず緊密となっています。貿易分野について、ベトナムとEU=欧州連合との自由貿易協定が発効した後、ベトナムとフランスの貿易額は連続して増加し、2021年にはおよそ74億5千万ドルから2022年に85億ドルに増加しました。現在、フランスは欧州連合におけるベトナムの最大の貿易相手国となっています。
一方、開発協力に関して、フランスは欧州諸国の中でベトナムに対する最大のODA=政府開発援助供与国です。1993年以来、ベトナムに対するフランスのODA公約額は184億ドルにのぼっています。
ベトナム・フランス国交樹立50周年記念式で挨拶に立ったフランス外務省・アジア大洋州局のガイデ局長 |
フランス外務省・アジア大洋州局のブノワ・ガイデ局長は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナム・フランス関係の礎(いしずえ)は政治対話とともに、緊密な人間関係にあります。アジアのほかの諸国よりもベトナムとフランスとの関係は文化交流や青年・学生交換、研究など、あらゆる分野で力強く発展しています。また、友好協会や地方行政府間の協力は両国関係に着実な土台を作り出しています」
現在、フランスはベトナムをはじめとするアジア太平洋に向けてのダイナミックで包括的な政策を積極的に展開しています。こうした中、ベトナムはフランスを外交政策の重要なパートナーの一つとみなしており、両国関係の深化に取り組んでいます。在フランスベトナム大使館のディン・トアン・タン大使は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナム・フランスの外交関係が樹立されてから50年を経た現在、新たな発展段階に入っています。両国民の支持や両国の指導者が合意したビジョンにより、今後、双方の優先課題の実施が促進されるものと期待しています」
ディエンビエンフー作戦の勝利から69年間が経ちましたが、両国はともに歩み、双方関係の新たな発展段階を目指しています。