新型コロナウイルス感染症が国内外で複雑に推移していることは、ベトナムの経済社会に深刻な影響を与えています。こうした背景の中で、幹部のリーダーシップが求められています。グエン・フ・チョン党書記長・国家主席が「疫病への対応を通じて幹部の能力を判断する」と語ったように、現在は幹部をはじめ、国家機関の能力と威信を判断する時期です。

新型コロナ予防対策国家指導委員会委員長を務めるヴ・ドゥク・ダム副首相

ベトナム政府は、新型コロナ予防対策と経済回復という二重目標の実現に全力を尽くしています。党の指導及び政府の運営の下、新型コロナ予防対策は全国で徹底的に展開されており、約100日間連続で市中感染がないなど大きな成果を収めてきました。この成果は国内世論と国際社会から好評を得ています。

しかし、7月中旬から、新型コロナの第2波が発生しました。そのため、疫病抑制は最優先課題となっています。その課題においては、各部門・各地方の幹部は重要な役割を果たさなければなりません。現在、政府は、絶対に怠らず、予防対策を断固として徹底させるよう指導していますが、それぞれの部門・地方の幹部はリーダーシップを発揮させ、自らの部門・地方の状況に見合う対策を講じる必要があります。

疫病抑制とともに、経済回復も重要な課題です。VCCIベトナム商工会議所の調査によりますと、年初からの6か月市場から撤退した企業の数は新規企業を上回っています。これは十数年ぶりのことです。また、疫病が抑制されなければ、これから3か月事業を継続できる企業の割合は約30％、これから6か月事業を継続できる企業の割合は約50％であるとしています。その結果、数百万人の労働者が解雇される恐れがあります。そのため、経済回復を進め、企業の生産経営活動に便宜を図ることは差し迫った課題となっています。これは各部門・地方の指導者が担う重い任務です。

そして、社会福祉の確保と国民生活の保護は幹部が果たさなければならない任務です。新型コロナの影響で、国民の収入が減り、生活も難しくなる人が多くなるということは多くの経済専門家が指摘しています。政府は、新型コロナの影響で困難な生活を送っている人を対象に補助政策を展開しています。この政策が効果的に実施されるためには、関連各省庁と地方の幹部の役割がとても重要です。よい幹部は具体的な行動で、国民の生活を守るはずです。

新型コロナウイルス感染症が国の経済・社会などに全面的な影響を与えていますが、これは、よい幹部が自分のリーダーシップと能力を示すチャンスです。来年の初めに予定されている第13回党大会の準備作業が進められている中で、これは党の人事作業に前向きな影響を与えるでしょう。