(VOVWORLD) - 先週、ニューヨークの国連本部で、国連常駐ベトナムとバヌアツ政府代表部は共同で、気候変動における各国の義務について、ICJ=国際司法裁判所に勧告的な意見を求める手続きに関する予備会議をオンラインで行いました。
ザン大使 |
この会議は2023年、国連総会が採択した決議で全世界共通の課題として取り上げられた気候変動への対応に取り組む決意を示すとしています。会議にはアジア太平洋地域の20か国以上の法律専門家や国連常駐各国政府代表部、およびベトナム関係機関の代表らが出席しました。
共通の課題の解決に貢献
2023年3月29日に採択されたこの決議は、気候変動対策で各国が負う法的義務に加え、二酸化炭素など温室効果ガス排出の対策を怠るなどして損害をもたらした場合の法的責任に関する「勧告的意見」をICJに求めました。意見に法的拘束力はありませんが、国の責任が明確化されれば、各国に気候変動対策の強化を促すことにつながります。また、気候変動対策への負担と責任が公平かつ平等に分担されなければならないとしています。
ICJに勧告的な意見を求める手続きに関するオンライン予備会議開催の主導国の一つであるベトナムは国際法、とりわけ国連気候変動枠組み条約や1982年国連海洋法条約、パリ協定など気候変動に関する国際条約を常に順守するメンバーとしての責任感を示しています。また、ベトナムは発展途上国と力を合わせ、国連総会、および国際司法裁判所とともに、気候変動のマイナス影響を招く温室効果ガスの大量排出国の法的責任の判断にあたっています。
気候変動対応に努力
ベトナムは国際条約を精力的に遂行しており、気候変動による最も深刻な被害を受けている5か国の一つであることから、気候変動対応で先頭に立っています。資源環境省のレ・ミン・ガン次官や国連開発計画ベトナム事務所の気候変動・環境委員会のダオ・スアン・ライ委員長は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムは国際社会の積極的な一員として活躍しています。また、ベトナムは各国やパートナーと経験、科学技術に関する知識、リソース、アイディアを共有する意向があり、気候変動に対応できるようなグリーンで持続可能な経済の開発を目指します」
「ベトナム政府は気候変動に関する課題の解決を確約しました。ベトナムにおいて環境保護は現在の経済開発だけでなく、将来における持続可能な経済開発、および気候変動対応に役立つでしょう」
2021年、ベトナムは2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという公約をはじめて示しました。これを遂行するため、ベトナムは具体的な行動をとっています。ベトナム政府はこの公約遂行国家指導委員会を設立したほか、各省庁、地方はいずれも関連の計画、プログラムを立案するとともに、外国の支援を呼びかけています。また、産業界や社会コミュニティも政府と力を合わせ、気候変動対応に取り組んでいます。2023年、ベトナムと外国のパートナーはJETP=公正なエネルギー移行パートナーシップ立ち上げに関する政治声明を採択し、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという公約やグリーン転換を実施することが狙いです。これに関し、イギリスのリシ・スナク首相は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムは東南アジアの中心地に位置する新興国です。2050年をめどに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという目標を設定し、その遂行に取り組んでいることで、ほかの国々のお手本となっています。私たちが設立したパートナーシップはベトナム政府の努力の強化に役立つでしょう」
国際司法裁判所に勧告的な意見を求める手続きに関する予備会議の開催を通じて、ベトナムは地球規模の気候変動の解決に貢献すると期待されています。