(VOVWORLD) - 既にお伝えしましたように、シンガポールのリ・シェンロン首相の招きに応じて、ベトナムのグエン・スアン・フック首相は25日、シンガポール公式訪問を開始します。フック氏がベトナムの首相としてシンガポールを訪問するのは今回が初めてです。
両国が外交関係樹立45周年と戦略的パートナーシップ樹立5周年を記念する中で行われるこの訪問は双方関係を新しい発展段階に押し上げると期待されています。政治的信頼を基礎に、両国は様々な分野で協力の強化に力を入れています。こうした中、フック首相による訪問は新しい原動力を作り出すと評されています。
17年3月にハノイで会った越・SPの両首相(写真:VNA) |
協力の実質的成果
2013年に樹立されたベトナムとシンガポールとの戦略的パートナーシップに従って、両国の経済・貿易・投資協力は良好な政治関係と共に、効果的に発展しています。現在、シンガポールはベトナムの貿易相手国の中で、ASEANのトップ、そして、世界第6位になっています。
投資に関して、シンガポールはベトナムで420億ドル相当の2000件の投資プロジェクトを行っており、ベトナムの投資国の中で、3位に立っています。その投資額は戦略的パートナーシップが樹立される前と比べ、倍増しています。シンガポール駐在ベトナムのグエン・ティエン・ミン前大使は次のように評価しています。
(テープ)
「両国間の関係において、経済協力は中心的な役割を果たしています。両国の経済が迅速に発展している現在、ベトナムへのシンガポールの投資が増加しています。また、この3年間、両国間の貿易額は年平均22%増えていますが、双方はより広い市場への進出を目指しています。」
国防・安全保障分野での協力も発展しています。中でも、海軍や、テロ防止対策、サイバーセキュリティなどの分野での連携は緊密化されています。また、文化や、草の根外交分野での協力も強化されており、両国国民間の相互信頼と相互理解の深化に貢献しています。
こうした中、シンガポールはエネルギーや、都市開発、スマートシティネットワーク作りなどの分野でベトナムへの投資を強化していくことを公約しています。今後の両国間の協力展望に関し、先ほどのミン前大使は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムとシンガポールは多大な潜在力があります。シンガポールは資本や、市場経済と経済発展に関する経験などの面で大きなメリットを持つ一方、ベトナムは豊富な人材や、天然資源、有利な地理的地位などがあります。そのため、両国は互いに支援しあうことができます。特に、両国が複数のFTA=自由貿易協定の締結を進めている現在、その協力空間が拡大されています。今後、両国間の協力は二国間の枠内に制限されず、ASEANとアジア太平洋全域に拡大される見通しです。」
シンガポールを訪問中、フック首相はシンガポールの指導者らと会談・会見するほか、シンガポール・ベトナムビジネスフォーラムに出席する予定ですが、これらの席で、両国間の協力の方向性を発表します。
国際場裏での協力・協調
多国間協力分野に関し、ベトナムとシンガポールは常に緊密に連携しています。現在、シンガポールはASEAN輪番議長国のポストを努めていますが、ベトナムは常にシンガポールの提案とイニシアティブなどを支持しています。両国は、「自力自強、ASEAN内の団結の強化、国際問題解決におけるASEANの中心的な役割の維持」という方針を従って行動しています。
こうした中、両国が外交関係樹立45周年と戦略的パートナーシップ樹立5周年を記念する中で行われるフック首相の訪問が両国関係の突破口を切り開くのは間違いないでしょう。