中国共産党政治局常務委員で、全国人民代表大会常務委員会(全人代)の張徳紅常務委員の招きに応え、グエン・シン・フン国会議長は23日から27日にかけて中国公式友好訪問を行ないます。この訪問は両国国会の協力、また、ベトナムと中国の戦略的かつ全面的パートナー関係の強化に寄与すると期待されています。
1991年に正常化された両国関係はあらゆる分野で迅速に発展しています。高級レベルの訪問や会見が頻繁に行われ、各省庁、部門、地方官の協力は緊密化されつつあります。
国会間の効果的な協力
両国の党、国家の関係発展につれ、ベトナム国会と全人代との協力関係は絶え間なく強化されています。各レベルの代表団の相互訪問や交流活動が維持され、立法や法整備に関する経験交換の促進を狙っています。例をあげると2012年1月、行われたトン・ティ・フォン国会副議長の中国訪問、同年9月、ウオン・チュ・リュ国会副議長がベトナム平和委員会委員長として行なった中国訪問、同年5月の立法研究院の代表団の訪問、2013年7月、行われた国会・社会問題委員会の代表団による中国訪問があった一方、2012年12月の全人代の李建国副主席兼秘書長の、2013年12月の全人代・対外委員会代表団によるベトナム訪問がありました。特筆すべきことは去る11月、中国の習近平共産党総書記兼国家主席はベトナムへの国賓訪問を行なった際、ベトナム国会で平和、友好のメッセージを発表したことです。他方、国際場裏で両国国会は常に支持しあって、様々なイニシアチブを提案しています。
越中戦略的かつ全面的パートナー関係の動き
現段階で、両国の指導者は双方関係を安定的かつ持続的で健全に発展させるための方針と措置で合意を達成しました。また、2015年の両国の国交樹立65周年にあたり様々な記念活動が行われてきました。一方で、各省庁、部門、地方間の友好協力関係が強化され、経済、貿易、投資分野での協力は進展を見せています。2014年、双方の商取引額は580億ドルに達しましたが、今年初めからの10ヶ月はおよそ550億ドルにのぼっています。投資に関して、2015年10月現在、中国はベトナムに84億ドル相当の1200件あまりの投資プロジェクトを行い、105の国と地域の中で9位に立っています。年初以来の10ヶ月、ベトナムを訪れた中国人観光客は延べ140万人に達しました。他方、科学技術、教育養成、観光、草の根外交などの分野でも協力が強化されています。両国関係にはいくつかのが問題点や不一致点が残っているものの、陸上国境地域、及びバクボ湾、いわゆるトンキン湾の状況が安定しています。しかし、ベトナム東部海域(南シナ海)の状況が複雑に推移しており、中国がチュオンサ群島で人工島の建設や岩礁の埋め立てなどを進め、国際社会の懸念を招いています。こうした事情を前に両国は交渉を進め、不一致点を解決した上で、関係の健全かつ安定な発展に向けています。
なお、今回、行なわれるグエン・シン・フン国会議長の中国訪問は両国関係に重要な節目となり、ベトナムの有意義な外交活動となります。また、これはベトナム国会議長の中国訪問としては2007年ぶりのものです。さらにこの訪問は善隣友好関係に関する両国の指導者の共通立場を具体化させるとともに両国議会間の協力、交流を進め、重要な課題を協議するための機会となります。そして、ベトナムは相互尊重、平等、互恵を基礎に、中国との関係の発展を希望するとしています。