既にお伝えしましたように、ASEM=アジア欧州会議の「企業と人権」をテーマにした第14回非公式シンポジウムがハノイで行なわれています。
グローバル化と国際社会への参入の背景の中で、人権問題、中でも労働者の権利はさらに関心を集めています。
国家は人権の遂行確保にむけて重要な役割を果たす
ベトナムでは、労働者を始めとする国民の権利確保は重要な法的文書に盛り込まれています。人権研究院のダン・ズン・チ院長は次のように語りました。
(テープ)
「ずっと前から、ベトナムにおいては、人権の確保は関心がありました。ベトナム民主共和国樹立以来、この権利は明確に規定されています。特に、2013年憲法には具体的な規定が盛り込まれています。それらは、国民が勤労の権利を行使し、職業・職場と仕事を選択する権利があると規定されています。賃金労働者は公平かつ安全に勤務し、給料と休暇制度を受けることができます。労働者に対し、差別的取扱い、強制労働は禁止されています。これらの規定は、労働者の権利保護分野に関する国際人権条約の規定に合致しています。」
その一方で、今年1月1日に発効された2013年の労働改正法、社会保険法は職場における対話、団体交渉、集団労働合意などについて具体的に定めています。これはベトナムにおける労働者の権利保護に向けた重要な法的文書の一つです。
ベトナム労働総連盟・労働者と労働組合研究院のブ・クアン・ト院長は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムにおける、労働法や、政府の規定は、職業や賃金、保健、労働条件などに関する労働の権利保護に集中していることを強調したいです。」
企業の社会的責任による労働者の権利保護
この数年間、ベトナムにおける企業共同体は社会に対する企業としての責任を主体的に示しています。貧しい人々や身体障害者、孤児、少数民族に対する人道的活動を行うと同時に、雇用における差別の撤廃、強制労働及び児童労働の廃止、団結権及び団体交渉権などに関するILO=国際労働機関の基本的原則を遵守しています。
ト院長は「企業と労働者を結ぶ架け橋として、ベトナム労働組合は、企業の社会的責任の監視と向上における重要な役割を果たしている。」と明らかにしました。
現在、ILOの一員であるベトナムはILOの21の条約に批准しています。企業の社会的責任に関するILOの基本的原則や規定は、ベトナムの法律に盛り込まれ、ベトナムにおける企業共同体から遵守されています。
経済再構築、経済競争力の能力向上、持続可能な開発の確保を進めている過程における労働者の権利保護はベトナムの優先課題となっています。